バレー日本女子 米国に完敗で見えた課題 真鍋監督「セッターからのスピード遅い」古賀「攻撃の工夫足りない」
◆バレーボール ▽ネーションズリーグ女子福岡大会 日本 0(15―25、18―25、24―26)3 米国(16日、北九州市西日本総合展示場) ホームでの1次リーグ最終戦で、パリ五輪の出場権が確定した日本は、2021年東京五輪金メダルの米国に0―3で敗れ、4敗目(8勝)を喫した。パリ五輪代表10人をそろえた本気の米国に先に2セット(S)を連取され、第3Sは終盤まで接戦を演じたが、及ばなかった。日本は進出を決めている8チームによる決勝大会(20日~23日、タイ)に臨む。 パリ五輪の前哨戦は完敗だった。真鍋監督は速さに欠いた日本の攻撃を嘆き「セッターからのスピードは遅くなり、米国のブロックがタッチ、シャットアウトにつながった」と敗因を語った。5得点にとどまった古賀も「差を感じた」と振り返った。ストレートで勝てば、世界ランキングで米国を上回れる可能性もあった一戦。五輪1次リーグの組み合わせを見据え、少しでもランク上位に食い込む目標はかなわなかった。 日本が大事にするスピード感が機能しなかった。象徴するのは第1Sで8―9の場面。先発セッターの岩崎のトスにライトから古賀がスパイクを放ったが、2枚のブロックが立ちはだかった。守備をかわそうとストレートに放ったスパイクは奥に外れた。31本を打って5本しか決められず、古賀は「攻撃で厳しいコースに打ったり工夫が足りなかった」と悔しさをあらわにした。ブロックとレシーブの連係が堅い組織的な守備をする強豪国を前に、課題は浮き彫りとなった。 今大会後に12人に絞られるパリ五輪代表争い。戦力としてアピールした者もいた。22年から正セッターだった関だ。今大会は途中出場が続き、第2週では2試合でベンチ外も味わったが、第1S途中で入り、第2S以降は先発した。特に第3Sでは得意のミドルを使ったトスで流れ変えた。「セットを取れないのは悔しいが、思った攻撃を出せたのは収穫」と関。途中出場でチーム2位の11得点の和田も、強敵相手に力を発揮し「今後も爆発力を出せるように」と納得の表情だった。 第1目標の6大会連続14度目の五輪出場は確実にした。五輪前では最後の公式戦となる決勝大会は、20日から始まり、17日に開催地のタイに移動する。真鍋監督は「目指すのはスピードと正確性」。サーブからの攻撃を生かすべく修正を図る。(宮下 京香)
報知新聞社