ソフトバンク、津森宥紀と長谷川威展の中継ぎ陣で計7勝 接戦で光る〝仕事〟、チームの粘りが生んだ近藤健介の逆転弾【評論家の視点】
◆ソフトバンク3―2西武(18日、みずほペイペイドーム) 【池田親興氏の視点】 ソフトバンクの今の怖さが出た試合だった。一打逆転の場面をつくったところで、近藤のアーチが飛び出した。前日17日にも本塁打が出たし、ここ2試合はスタンドまでは届かなくても、いい形で打ててホームランになってもおかしくない打球があった。タイミングの問題だと思うが、それを吹き飛ばす一打だった。打たれた西武の松本はどんどん押してくる投手。そこを一発で仕留められるのが近藤の良さだ。先発の大津も救われた。好投をしたのに、浴びた2安打が若林の2ランという形で全て失点になってしまっただけに、負けていたら悔いしか残らなかったはずだ。 ■ピンクリボンデーに登場した可愛いダック【写真】 シーズン前は近藤の打順について、もっと前を打たせる考えもあったと思うが、今の流れを見ていると3番柳田、4番山川、5番近藤のクリーンアップは動かせない。柳田が出て、山川がかえし、山川が駄目でも近藤がかえすといういい形になっている。近藤やソフトバンク打線の怖さを発揮している。 この試合で目立ったのは粘りだ。西武の先発渡辺から初回にノーヒットで先制できたものの、相手は上手に球が荒れており、打者から見れば絞りづらく非常に打ちづらかった。今季1軍初登板で過去にもソフトバンクとの対戦があまりないだけに攻略には難しさがあった。それでも逆転を許した後の大津が制球力の良さと緩急をいつも通りに発揮してしっかり抑えたし、先頭打者を出塁させた津森や2死からピンチを招いた長谷川も乗り切った。粘れたことが近藤の一発につながった。お互いがしんどい1点差の試合を勝ち切れたのは、今のソフトバンクの強み。全員が1点に対する執着心を持っている。打てなくても何とかワンチャンスをものにして勝っている。 僅差の試合を制していけるのは、そんな展開の中で中継ぎ陣が抑えていることも大きい。今回登場した津森と長谷川で計7勝を挙げている。抑えたところで打線が援護したからこそ勝ち星がつく。自分たちの仕事をしっかり果たしているからついてきた結果だと思う。(西日本スポーツ評論家)
西日本新聞社