全国各地で爆増する「ロピア」にも負けないスーパーの正体、従来のスーパーが切り捨ててきた「生鮮」のノウハウを強化
■生鮮強化型チェーンストアの手法が突破口を開く チェーンストア同士の同質化競争に陥りつつある今、チェーンオペレーションに加えて、生鮮管理ノウハウを駆使した売り場作りをすることが、大きな差別化要因となる。人口減少で市場が縮小していく環境下、チェーンストアによる同質化が進んだ今こそ、こうした生鮮強化型チェーンストアの手法が突破口を開くひとつの解となるはずである。 唐突だが、この話を書いていて、昔、生物の授業で習った「ミトコンドリア」のことが頭に浮かんだ。動物などが動くためのエネルギーは、細胞内に存在するミトコンドリアが作り出しているのだが、このミトコンドリア、元々は別種の好気性細菌だったのに、捕食されたか何かのタイミングで、細胞が取り込んで共生している、という関係らしい。
異物を取り込んで消化してしまうのではなく、共生ができれば、さらに発展するという過程がなんとも不思議なのだが、生物の歴史の中では割とよく起こっているのだという。生鮮専門店を取り込んで(どっちが主体かはさておき)、上手に共生するスーパーは、きっと次のステージに進化できる、そんな気がするのである。
中井 彰人 :流通アナリスト