【イベントレポート】「化け猫あんずちゃん」アヌシー映画祭で上映、山下敦弘「好きになってくれたらうれしいです!」
日仏合作のアニメーション映画「化け猫あんずちゃん」がフランス現地時間6月13日にアヌシー国際アニメーション映画祭2024で公式上映され、監督の久野遥子、山下敦弘らスタッフが舞台挨拶に出席した。 【画像】映画祭のモニュメントとともに記念撮影をする久野遥子、山下敦弘、あんず いましろたかしの同名マンガを原作とする同作は、人間の言葉を話し、人間のように暮らす化け猫・あんずちゃんが主人公の物語。実写で撮影した映像から動きや表情を抽出してアニメーションにするロトスコープの手法で制作され、森山未來がお寺で暮らす37歳のあんず、五藤希愛が父親に捨てられた11歳の女の子かりんを演じた。 アヌシー国際アニメーション映画祭は、カンヌ国際映画祭から独立する形で1960年に始まったもの。「化け猫あんずちゃん」は、2023年に“制作中の注目作”としてWork in Progress部門でプレゼンテーションが行われ、このたび長編コンペティション部門に正式出品された。公式上映は同映画祭最大のボンリオ劇場グランドホールで開催され、約900人が集まった会場には、恒例の作品への期待度を込めた紙飛行機が数多く飛び交っていた。 上映前に登壇した山下は「初めてのアニメ作品がアヌシーで上映されることをすごく光栄に思います。変なキャラクターばかり出てくる映画ですけど(笑)、好きになってくれたら監督としてはうれしいです!」と観客に呼びかける。久野は「去年のWork in Progressにあんずを5カットだけ持ってきて、アヌシーのお客さんたちがそれを熱心に観てくださったことが本当に大切な記憶に今もあります」と懐かしみ、「今日は全部のカットを、あんずを作った皆さんや、楽しみにしてくださっている皆さんと観られるのがすごくうれしいです」と続けた。 舞台挨拶にはプロデューサー陣も登壇。シンエイ動画の近藤慶一、Miyu Productionのエマニュエル=アラン・レナールとピエール・ボサロンも参加した。 上映中はあんずの行動に笑い声が何度も上がり、終映後にはスタンディングオベーションが。客席で一緒に鑑賞していた久野と山下は、感激の面持ちで声援に応えていた。観客からは「最高の映画、最高の色彩! 物語がとても明るくて、とても気に入りました」「色彩豊かで美しく、見事に演出された作品です。またもう一度観に行きます!」との感想が寄せられた。 「化け猫あんずちゃん」は7月19日より全国ロードショー。なお映画祭の受賞結果は、現地時間6月15日夜の閉会式で発表される予定だ。 (c)いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会