メルセデスF1代表、レッドブルでの将来が危ぶまれる重鎮マルコに”相談役”のオファーか「ラウダの赤い帽子は被ってないけどね」
レッドブルでの将来が不透明なモータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコに対して、メルセデスF1が獲得に乗り出す可能性があるようだ。 【決勝グリッド】F1 2024 サウジアラビアGP マルコは現在、F1パドックを騒がせているレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表を巡る女性従業員への不適切行為疑惑において、チームを所有するレッドブル社から機密情報の漏洩に関与した容疑がかけられ、内部調査を受けている。サウジアラビアGP終了後には停職処分が下る可能性もあるという。 レッドブル社は、女性従業員によるホーナー代表への苦情をめぐる事態が極秘かつプライベートなモノであることを理由に、メディアに対して厳しく情報をシャットアウト。内部調査を通じてホーナー代表の潔白が証明されたことを明かしたが、その直後に匿名のメールを通じてメディアに疑惑の証拠がリークされ、火に油を注いだ。 マルコはサウジアラビアGP決勝が行なわれる土曜日にレッドブル社のマネージングディレクターであるオリバー・ミンツラフに面会する予定になっており、そこで現職に留まり続けるかどうか、運命を知ることになる。 マルコの進退はレッドブル・レーシングの今後にとっても非常に重要な要素であり、今年同陣営から4年連続のF1世界タイトル獲得を狙うマックス・フェルスタッペンは、マルコが去れば自身も後を追うことになると明言している。 フェルスタッペンのレッドブル離脱の選択肢は、2024年限りでルイス・ハミルトンが去るメルセデスとしては願ったり叶ったり。ハミルトンの後任として2025年にフェルスタッペンを迎え入れるという選択肢は彼らにとって非常に魅力的だ。 そしてメルセデスのトト・ウルフ代表は、かつてニキ・ラウダが務めていたようなノン・エグゼクティブ・チェアマンとしてマルコを迎え入れることで、フェルスタッペンにとってメルセデス移籍がより魅力的な選択肢になると考えている。 「いずれにせよ、かつての“マスコット”がいなくなって淋しいんだ」 オーストリアの放送局ORGのインタビューでウルフ代表は亡きラウダを示唆しつつ冗談を放ち、次のように続けた。 「それならヘルムートを連れてこよう。彼はちょうどいい年齢だ。彼は赤い帽子を被ってはいないけど、それなら彼は我々のところへ来てくれるだろう」 そしてウルフ代表は次のように続けた。 「ヘルムートは悲しんでいる子どもではないし、これまでもそうではなかった。我々の好敵手だ。彼は本物のレーサーで、仮にヘルムートを失えば、レッドブルにとってもチームにとっても損失であることは間違いない」 ウルフ代表はフェルスタッペン獲得に前向きだが、彼を納得させるためにはメルセデスがより速いマシンを提供する必要があることを自覚している。 「我々には2025年と2026年のシートが1席ある」とウルフ代表は言う。 「しかしマックスは、最速のマシンがあるところでドライブするだろう。今日の段階ではレッドブルだ」 最近、フェルスタッペンの父ヨスと話し合いの場を設けたのかと尋ねられたウルフ代表は次のように答えた。 「マックスがF1に参戦して以来、我々は10年にわたって互いに話し合いをしてきた」 「ヨスとはいい関係だし、マックスともいい関係だ。だからといって、プロフェッショナルな誰かが短期的に変化が見えると言うことはないだろう」
Jonathan Noble, Christian Nimmervoll