次は子ども服に参入「ワークマン」はどこへ行く、“女子”を大量出店、カジュアル業態を3割弱へ拡大
ワークマン女子で子ども服を扱うことは、買い上げ点数・客単価の双方の引き上げにつながるとみている。 期待を背負うワークマン女子だが、「コア商品が育っていない」(土屋専務)という課題もある。ワークマン女子の既存店売上高は、今2024年3月期第3四半期累計(2023年4~12月)で前年同期比11.8%減に沈んだ。新店が好調な一方で、継続的なリピーター客を取り込めていない。 ■ワークマン女子は年30出店を計画
来店頻度を高めるために、2つの軸でコア商品の育成に力を入れている。1つ目が下着などのインナー類で、旭化成アドバンスと共同開発した冷感肌着シリーズなどを展開。2つ目がトレンド商品の投入で「2023年秋冬で短納期・少量生産の15モデルを作ったうち、3~4モデルはヒットして量産品化まで持っていけた」(土屋専務)と手応えを感じているという。 さらにカジュアルシューズや子ども服など一般向け商品を拡充したことで、本格的なワークマン女子の出店拡大に自信を見せる。ワークマン女子・カラーズの店舗数は2023年末時点で44店舗だが、今後はワークマン女子でフランチャイズ(FC)店を中心に毎年30店舗程度の出店を計画する。
中長期では、ワークマン女子をはじめとする作業服を扱わない業態で400店舗体制を目指す。実現すれば、全店舗の3割弱がカジュアル主体の業態となる。 ワークマン女子では、メンズ商品や男女兼用品も多く扱う。にもかかわらず、店名で「女子」とうたったことが批判の的になったこともあった。「既存のワークマン・ワークマンプラスに来店している女性客の受け皿となる業態を作ることが狙いだった。ワークマン女子の出店とFC化が軌道に乗れば、別の店名を検討する余地はある」(土屋専務)。
■2期連続の営業減益に沈む ワークマン女子の出店拡大に意欲的なワークマンだが、足元の業績は逆風にさらされている。2月5日には今2024年3月期の業績予想の下方修正を発表した。 本業の儲けである営業利益は前期比2.8%減の234億4000万円となる見通しで、2022年3月期の営業利益268億円をピークに2期連続減益に沈む。暖冬の影響などで売り上げが計画未達になったことに加え、円安影響で原価が上昇したことが響いた。