苦境のインドネシア財閥リッポー・グループ、病院大手の支配株を1500億円で売却
ルクセンブルクを拠点とするプライベートエクイティ会社のCVCキャピタル・パートナーズは、インドネシアの財閥大手リッポー・グループの不動産企業リッポー・カラワチから、民間病院大手シロアム・ホスピタルズの45%の株式を、16兆6600億ルピア(約1470億円)で購入することに合意した。 この取引により、CVCのシロアム・ホスピタルズの持分は55.4%に上昇し、過去30年間にわたり同社の筆頭株主だったリッポー・カラワチは、その座を明け渡すことになる。同社は、5月にも同病院チェーンの10.4%の株式を2億4000万ドル(約352億円)でCVCに売却し、債務の返済に充てていた。 しかし、格付け会社のフィッチ・レーティングスは、リッポー・カラワチが今もなお資金繰りに苦戦していると指摘し、シロアム・ホスピタルズの持分をさらに売却する必要があると述べている。最新の売却後の同社のこの病院チェーンの持分は、約19.4%に減少するとされている。 「当社は、リッポー・カラワチがさらなる外部資金を調達しない限り、債務の返済によって手持ちのキャッシュが不足すると予測している」と、フィッチは先月のレポートで述べていた。 インドネシア最大のヘルスケア企業の1つであるシロアム・ホスピタルズは、ジャカルタ大都市圏内で15の病院を管理・運営しており、インドネシア全土で他の26の医療施設を運営している。 フォーブスは、リッポー・グループの創業者のモクター・リアディとその家族の保有資産を16億ドル(約2350億円)と試算している。同グループは現在、リアディの息子のジェームズとスティーブンが率いている。リッポーの事業は医療関連や不動産にとどまらず、小売やメディア、教育にも及んでいる。
Yessar Rosendar