３か月ぶりに実戦復帰した早田ひな（カメラ・宮下　京香）

◆卓球世界ツアー　▽ＷＴＴファイナル　第１日（２０日、福岡・北九州市立総合体育館） 　世界ランク上位選手が集ったＷＴＴファイナルが開幕し、女子シングルス１回戦で、今夏のパリ五輪で銅メダルを獲得した世界ランク５位の早田ひな（日本生命）が同１７位のベルナデッテ・ソクス（ルーマニア）に１（１０―１２、７―１１、１１―６、６―１１）３で敗退した。 　左手首付近を痛めて欠場が続いていた日本のエース・早田が、銀メダルを獲得した８月のパリ五輪女子団体決勝以来、約３か月ぶりに復帰戦を迎えた。地元・北九州市の応援を受け、コートに立った早田。左腕にはテーピングを施し、第１ゲーム（Ｇ）の序盤はバックハンドで返らず４連続失点したが、フォアでラリーを制すなど、９―９と追いついた。だが、ソクスの早い段階での攻めとサーブも決まり、接戦のゲームを落とした。 　第２Ｇは５―５から中陣に下がったラリーに持ち込み、痛烈なフォアハンドドライブを２連続で浴びせた。７―５と一時リードも、ラリーでミドルをつかれ、６連続失点を喫してゲームを連取された。「ひなちゃん頑張れ！」「早田～！」と地元の声援が早田の背中を押す。第３Ｇは６―６からサーブで得点を挙げると、台上で果敢に攻めて、チャンスをつくり、フォアで決めるなど５連続得点で復帰後初めてゲームを奪った。第４Ｇも中盤まで競り合ったが、ラリーでバック側を攻められ、相手に押し切られた。 　初出場した８月のパリ五輪シングルス準々決勝のピョン・ソンギョン（北朝鮮）戦の後半に左手首付近に違和感が生じ、痛みが広がった。翌日の世界ランク１位・孫穎莎（中国）との準決勝は棄権も考えたが、強行出場して０―４で完敗。韓国のエース・申裕斌との３位決定戦ではテーピングを施し、満身創痍（そうい）で戦い抜いた。４―２で激闘を制し、日本勢のシングルスで史上３人目の銅メダルを獲得した。 　五輪後も治療が続いた。先にトレーニングは始めながら、９月２８日にラケットを使った練習を再開させた。だが、１０月上旬のアジア選手権は開始地のカザフスタン入りして調整してきたが、シングルス戦は棄権。日本が金メダルに輝いた団体戦は、出番がなかった。地元・北九州市で初開催された今大会が、五輪の団体決勝以来の実戦復帰となった。