ボウマンFRB理事、追加利下げは慎重に-インフレ抑制の進展鈍る
(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事は20日、インフレ抑制の進展が滞っているとして、さらなる利下げには慎重な姿勢で臨みたいとの認識を示した。
「政策金利の引き下げに関しては、インフレ目標をなお達成できていない点を認識しつつ、労働市場の動向を注意深く見守りながら、最終地点までどの程度離れているのか正確に判断できるよう慎重に進めたい」と述べた。発言はフロリダ州パームビーチで行う講演向けの原稿に基づく。
ボウマン氏は9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、より小幅な引き下げを求め、50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の大幅利下げ決定に反対。FRB理事が反対票を投じるのは約20年ぶりだった。今月の会合では、25bp利下げに賛成票を投じている。
先物市場は12月会合での追加利下げの可能性を50%強織り込んでいるが、ボウマン理事の発言は、労働市場が堅調を維持する一方でインフレ鈍化の進展が停滞する場合には、利下げを支持しない可能性を示唆している。
ボウマン理事は「2023年初頭以降、インフレ抑制でかなりの進展がみられたが、ここ数カ月は進展が停滞しているようだ」と指摘。「また物価安定目標を達成する前の段階で、政策金利が中立水準に達する、あるいは中立水準を割り込むリスクを排除すべきではない」と述べた。
FRBがインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)コア価格指数の前年比上昇率が「5月以来、2.7%前後で横ばい状態にある」ことに言及。暫定データは、10月も進展が限定的であることを示唆しているとした。
原題:Fed’s Bowman Urges Cautious Approach to Further Rate Cuts(抜粋)
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Craig Torres