裏金問題、安倍派幹部の処分の裏側【政治記者解説】
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年3月30日に公開された動画のテーマは「安倍派幹部処分 その内容は?」です。 岸田総理自らによる安倍派幹部への個別聴取、自民党の処分の重さと、補選を目前に決まらない処分への党内の反応……朝日新聞・今野忍記者と産経新聞・水内茂幸記者が、自民党のお家事情を赤裸々にひもときます。 【このトピックのポイント】 ・総理自ら安倍派幹部を個別聴取。真相究明に近づけるか? ・自民党の処分、ひとつ違えば選挙戦で「地獄から天国へ」 ・吉幾三さんが動画で告発 自民現職議員が飛行機内でパワハラ?
岸田総理自ら個別聴取するのは「異例」果たしてその成果は?
派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、岸田総理大臣は安倍派幹部の4人への個別聴取を行いました。 今回聴取を受けたのは、以下の4人です。 ・塩谷立氏(元文部科学大臣) ・下村博文氏(元政務調査会長) ・西村康稔氏(前経済産業大臣) ・世耕弘成氏(前参議院幹事長) 岸田総理は、一連の内容を踏まえて具体的な処分を判断するとしていますが、4人にはキックバックをやめなかった結果責任があるとし、党の規約で4番目に重い「選挙における非公認」以上の処分を検討しているとの報道があります。
自民党は長年政権与党でしたので、党内の仕事はナンバー2である幹事長が行うことが通例でした。その中で、党員の処分を総理が自ら聴取することは異例だそうですが……? 水内茂幸氏「これはやっぱり異例ですよね」 今野忍氏「オフレコだけど茂木さんと岸田さんはチョー仲悪い。岸田さんにしてみれば、任せたら何されるかわからないから、自分から出てくる」 水内氏も、「先日の自民党党大会で、総理自らが茂木さんに『指示した』と明言しているのになぜ本人が出てくるのか」と首をひねります。 それに対し今野氏は「(党の規則上)権限があるのが幹事長なので、ちゃんとやれよという意味で指示した。そういう場で言わなきゃいけないくらい信頼関係ないんでしょ?」と突き放すようにコメント。 このパフォーマンスの裏側には、政倫審を開催する際の事前調整で、岸田総理に「党がつぶれるかどうかの瀬戸際ぐらいなのに、自分で乗り出して調整しなかった」という批判があったようです。 その批判を受け、総理自ら処分を下すとアピールしたかったのではないか、と水内氏は岸田総理の心中を推し量るものの…… 水内氏「でも、それで喜んだのは茂木さんだと思いますよ。自分でやらなきゃいけなかった部分を岸田さんが持ってくれたおかげで、(岸田さんが)矢を全部受けてくれたから。背負わなくていい矢を負っちゃった」