飼い殺し確定…? 今夏の移籍に失敗した余剰戦力(2)居場所はユースチーム…。構想外、高年俸で最悪の不良債権
欧州主要リーグに加え、トルコやセルビアなどの移籍市場も閉幕を迎えた。今夏も様々な選手に動きがあったが、中にはクラブで厳しい立場にありながら新天地に向かうことができなかった選手もいる。今回は、現所属クラブに居場所がないながら、移籍が叶わなかった主な6人を紹介する。(成績は『transfermarkt』参照)
FW:ディヴォック・オリジ(ベルギー代表) 生年月日:1995年4月18日 現所属クラブ:ACミラン(イタリア) 23/24シーズン成績:20試合0ゴール1アシスト(ノッティンガム・フォレスト/イングランド) リールでプロデビューを果たし、15/16シーズンにリバプールへと加入したディヴォック・オリジは21/22シーズンまで通算175試合に出場。当時のリバプールは「フロントスリー(サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー)」の爆発力がすさまじく、オリジはそのサブメンバーに終始していた。それでも18/19シーズンのマージーサイドダービーで見せた劇的決勝ゴールやUEFAチャンピオンズリーグ(CL)・バルセロナ戦における「アンフィールドの奇跡」での2得点など、そのクラッチぶりでリバプールファンに愛される選手となった。 しかし、20/21シーズンにディオゴ・ジョタが加入したことで急激に出場機会を失い、翌シーズン終了後にリバプールを退団。その年に加入したACミランで再起を図りたいところだったが、22/23シーズンはリーグ戦27試合で1ゴール1アシストと全く活躍することができず、早々に構想外に。昨季はノッティンガム・フォレストへとレンタル移籍となった。 ただ、再び身を置いたプレミアリーグでも全くと言っていいほど活躍できず、今夏ミランに復帰。自身を構想外にしたステファノ・ピオーリはもういないが、それでもアルバロ・モラタやタミー・エイブラハムら新たなストライカーを補強した同クラブに居場所がないことに変わりはなかった。 当然クラブとしても売却を急いだ(ミランは移籍金なしでの移籍も容認)が、オリギ自身がトルコからのオファーを断るなど、最後まで移籍先が見つからず。このままいくと今季は3部に所属するミラン・フトゥーロ(セカンドチーム)を主戦場にプレーすることになる。 『Calcio e Finanza』が公開したミランの推定年俸によると、オリギはトップチームで主力を張るテオ・エルナンデスやタイアニ・ラインデルスと同じ額を受け取っているという。イタリアの名門にとっては最悪の不良債権と言えそうだ。
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