テレグラム、悪用の責任あるとの主張は不当-CEO逮捕で仏当局批判
(ブルームバーグ): 通信アプリ「テレグラム」は25日、同社の共同創業者で資産家のパベル・ドゥーロフ最高経営責任者(CEO)が週末にフランス当局によって身柄を拘束された理由について疑問を呈した。
フランス通信(AFP)によると、ドゥーロフ氏(39)は24日、テレグラムが犯罪に利用されるのを防ぐ措置を怠った疑いで、パリ郊外のルブルジュ空港で逮捕された。25日遅くに当初の拘留期間が24時間延長されたと司法当局者1人が明らかにした。
アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに本拠を置くテレグラムは自社のプラットフォームとX(旧ツイッター)に掲載した発表文で、同社はデジタルサービス法(DSA)を含む欧州連合(EU)の法律を順守しており、ドゥーロフ氏に「隠すことは何もない 」と反論。
さらに、「プラットフォーム悪用の責任が、そのプラットフォームやオーナーにあると主張するのはばかげている。われわれはこうした状況が速やかに解決されるのを心待ちにしている」と指摘した。
テレグラムのウェブサイトによると、ドゥーロフ氏はドバイ在住で、フランスとUAEの国籍を持つ。ロシア国籍を放棄したかどうかについては、これまでにコメントしていない。
パリのロシア大使館は声明で、「フランス当局に理由の説明を求めると同時に、ドゥーロフ氏の権利保証および領事館へのアクセスを要求した 」と説明。ロシア大使館の担当者がドゥーロフ氏の弁護士と連絡を取っているという。
AFPによると、逮捕状を出したフランスの公共機関OFMINは未成年への暴力撲滅を目指し、詐欺や麻薬取引、ネットいじめ、組織犯罪、テロ支援などの予備的調査をとりまとめる。
ドゥーロフ氏逮捕の報道を受け、テレグラムと関連する暗号資産(仮想通貨)トンコインの価値は一時23%下落した。
原題:Telegram Says It Abides by EU Laws After CEO Detained in France、Russian Embassy Says Telegram CEO Durov Arrested in France(抜粋)