【ボクシング】世界ユースV“モンスター2世”坂井優太25日プロ初陣「良い勝ち方ができれば」
ボクシングの22年世界ユース選手権バンタム級制覇などアマ7冠の実績を誇る坂井優太(19=大橋)がプロデビュー戦に臨む。25日、東京・後楽園ホールで開催される所属ジム興行フェニックスバトル117大会で、韓国スーパーバンタム級3位キム・ジヨン(26=韓国)とのバンタム級8回戦でプロ転向初戦を迎える。24日には東京・文京区の東京ドームシティにある「blue-ing!DISCOVER」内で前日計量に臨み、そろって100グラム少ない53・4キロでクリアした。 所属ジムの大橋秀行会長(59)から「大橋ジムのドラフト1位」と大きな期待を寄せられている坂井は「練習してきたことを試合に出して、しっかりと良い勝ち方ができればいい。やっていたことを出して、その流れで先に相手が倒れてくれたらいいなと思う」と意気込みを示した。プロでは初めてとなる減量も無事に終え「デビュー戦を前に1回、減量を試したことがありました。ジムの先輩たちにもアドバイスをいただき、逆に調子が上がっているぐらいの減量ができました」と手応えを口にした。 坂井は昨春まで大学進学、オリンピック(五輪)出場を目標に掲げていた。しかし国際ボクシング連盟が国際オリンピック委員会に組織の管理体制を問われ、ボクシング競技の五輪開催も危ぶまれていた時期があり、進路を悩んでいた。その頃、大橋ジムから誘いを受け、昨年6月には1度、出げいこを経験。4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31)から「結局、自分の覚悟だよ」と進路決断へのアドバイスを受けていた。約1週間、幼少から指導を受ける父伸克さん(52)の意見にも耳を傾けプロ転向を決めていた。 日本男子3人目の世界ユース制覇を含むアマ7冠(高校6冠)、アマ47勝1敗と堂々たる実績を持つ。大橋会長は「(坂井は)スパーリング内容も良く、ずば抜けている。その練習内容が試合でも出せるかどうかが大事。デビュー戦で緊張すると思うが、井上尚弥はデビュー戦からすごかった。気持ちが大事」とエールを送った。「モンスター2世」と言われる坂井が、プロのリングでベールを脱ぐ。 ◆坂井優太(さかい・ゆうた)05年5月27日、兵庫・尼崎市生まれ。小学1年から社会人野球を経験していた父伸克さんの勧めで、親子二人三脚でボクシングを開始。西宮香風高でボクシング部に所属し、1、2年で総体、選抜を連続制覇。2、3年時に国体連覇して高校6冠を獲得。22年世界ユース選手権バンタム級で優勝した。アマ戦績は47勝1敗。身長173センチの左ボクサーファイター。