2024年は雇用保険と社会保険に加入する「週20時間」に注目すべき理由
企業などに雇用され、一定の時間以上働いている方の給与からは、雇用保険や社会保険(健康保険、厚生年金保険)の保険料が控除されている場合が多いと思います。
【例】月給が10万円だった場合
これらの保険料は給与の金額によって変動しますが、例えば月給が10万円だった場合、2023年度の月額は次のようになります。 ・ 雇用保険:600円(一般の事業に勤務) ・ 健康保険:4,900円(40歳未満で東京都の協会けんぽに加入) ・ 厚生年金保険:8,967円
月給が上がって20万円になった場合
これらの保険料の月額は次のようになります。 ・ 雇用保険:1,200円(一般の事業に勤務) ・ 健康保険:1万円(40歳未満で東京都の協会けんぽに加入) ・ 厚生年金保険:1万8,300円 3つの保険を比較してみると、雇用保険は他の保険より大幅に保険料が安いのです。 また雇用保険に加入していれば、失業した時や育児休業を取得した時などに、所定の保険給付が支給される可能性があるため、他の保険よりコスパが良いと思います。 雇用保険に加入する必要があるのは、次のような2つの加入要件を満たした場合であり、加入要件を満たしている間は何歳になっても加入します。 ・ 継続して31日以上雇用される見込みがある ・ 所定労働時間が週20時間以上 ただ学生(定時制や通信制の学生などは加入対象)や、役員(兼務役員は状況によっては加入対象)は原則として、2つの加入要件を満たしても雇用保険に加入しません。
雇用保険と社会保険の共通した加入要件は週20時間
正社員として雇用されている方は、上限年齢(健康保険は75歳、厚生年金保険は70歳)に達するまで、一般的には社会保険に加入します。 一方で正社員以外(パート、アルバイトなど)は、週の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事する正社員の4分の3以上になると、社会保険に加入する場合が多いのです。 また2016年10月から社会保険の適用が拡大されたので、次のような5つの加入要件をすべて満たすと、正社員の4分の3以上にならなくても社会保険に加入するのです。 ・ 所定労働時間が週20時間以上 ・ 給与が月8万8,000円(年収だと約106万円)以上 ・ 2か月を超えて雇用される見込みがある ・ 学生ではない(定時制や通信制の学生などは加入対象) ・ 従業員数が101人以上の企業、または労使の合意がある101人未満の企業に勤務している(2024年10月以降は101人 → 51人) 以上のようになりますが、雇用保険に加入する2つの加入要件と、社会保険に加入する5つの加入要件には共通して、週20時間が登場するのです。 この週20時間という加入要件に、2024年は注目すべきだと思うのですが、主な理由は次のようになります。