【鳥取】高柳郁弥が「最善」と判断した期限付き移籍、新天地で「より覚悟を持って取り組みたい」
大宮アルディージャからガイナーレ鳥取に期限付き移籍したMF高柳郁弥が、強い決意で活躍を目指している。アカデミーでもプレーした地元のクラブを離れ、下位からの脱出を目指す新天地へ。持ち味を発揮して貢献することで、自らの成長にもつなげたい思いを強くしている。 【写真】米子市の練習拠点・オールガイナーレYAJINフィールドで練習を重ねる高柳
「特徴を生かさなければいけない」
加入が発表された7月25日に鳥取の練習に合流した高柳は、28日の明治安田J3リーグ第23節・FC岐阜戦で控えメンバー入り。1-0とリードして迎えた76分から交代出場し、そのまま勝った鳥取は第11節以来、12試合ぶりの勝利を収めた。中断期間を経て、まもなく再開するリーグ戦に向けて「環境やチームに徐々に慣れてきて、少しずつ鳥取を知ることができている」という。 埼玉県出身で、ジュニアユース、ユースと大宮のアカデミーでプレー。東洋大4年時の2022年に大宮への加入が内定し、同年に特別指定選手としてJリーグデビューを果たした。正式加入した23年はJ2でリーグ戦36試合に出場したものの、今季は降格したJ3で9試合の出場にとどまっていた。 思い入れのある地元のクラブを、いったん離れる決断を「難しかったですが、いまの自分にとって何が最善かを考えたとき、鳥取に移籍することが最善ではないかと思って判断した」と振り返る。前節終了時点で17位と苦戦が続く鳥取に来て「(期限付き移籍を)正解と思えるように取り組むだけ。来たからには、より覚悟を持って取り組みたい」と言葉に力を込めた。 今季の鳥取はポゼッション重視のサッカーに取り組んでおり、「パスをつなぐサッカーは自分も大宮で培ってきたので、適応できるはずだし、特徴を生かさなければいけない」と語る一方、「その上で、走る部分などをチームに還元したい」ときっぱり。鳥取は前節終了後、中盤の主軸だったキャプテンのMF世瀬啓人が藤枝MYFCに完全移籍しており、再構築されるチームの中心となるべく意気込む。 再開初戦となる8月17日の第24節・奈良クラブ戦は、Axisバードスタジアムでの加入後初のホームゲーム。5月3日の第12節では大宮の選手として67分から出場しており、今度は鳥取の選手として臨む。「大宮の外に出るのは初めてですが、新しいホームスタジアムにも早く慣れて、楽しんでサッカーができれば」との思いを胸に、連勝への貢献を期している。 取材・写真◎石倉利英