【菊花賞】ダノンデサイル 史上3頭目ダービー&菊花賞2冠へ万全の態勢 ひと夏越してさらに成長中
「菊花賞・G1」(20日、京都) フロックではなく王者として-。ダノンデサイルが淀の長丁場でライバルを迎え撃つ。狙うは史上3頭目となるダービー&菊花賞の2冠達成。逆境をはねのけ世代の頂点に立った王者が今秋、再び強さを見せつける。 ダービーは9番人気の低評価だったが、それをあざ笑うかのような快勝劇だった。抜群のスタートから好位のインで折り合いをつける盤石の立ち回り。直線は最内1頭分のスペースをこじ開けるように抜け出すと、皐月賞馬ジャスティンミラノの追い上げを難なく退けた。「本当に能力のある馬だと確認できた。将来性もあって、楽しみ」とベテラン横山典も手放しで称賛した。 しかし、栄光の裏には陣営の腐心もあった。クラシック1冠目の皐月賞は、レース直前に右前肢ハ行で無念の競走除外に。その後は歩様や走りのバランス、テンション面に細心の注意を配って一からつくり直した。ぶっつけ本番で本領を発揮させた厩舎力は見事の一言。5カ月ぶりとなる今回も調整に抜かりはない。 1週前は栗東CWの併せ馬で6F78秒1-35秒8-11秒4の好ラップを刻んだ。「強い負荷をかけたいと思っていたが、予定通りいい負荷をかけられました」と安田師は満足顔だ。「春からいろいろと変化は感じています。体重は増えていますし、体高も高くなっている」とひと夏を越しての確かな成長を頼もしそうにうなずく。 月曜朝は、栗東の角馬場で体をほぐすなどして汗を流し、あとは水曜の最終リハを待つのみ。京都3000メートル攻略へ、着々と準備は進んでいる。