これが限界突破したアクションだ…!全編クライマックスの『キングダム 大将軍の帰還』は“IMAX推し”
シリーズ累計動員数1000万人を超える大ヒットシリーズの最新作『キングダム 大将軍の帰還』が、本日いよいよ公開となった。シリーズ最終章となる本作は、アクションもドラマもこれまでの集大成にして最高傑作と言える必見の映画として完成。主人公の信(しん/山崎賢人)が、積み重ねてきた成長。そして大将軍の王騎(おうき/大沢たかお)がついに戦地に降り立ち、その身に神を宿す“武神”として知られる龐煖(ほうけん/吉川晃司)と因縁の戦いを繰り広げる様子は、「とんでもない映画を観た」とシビれること間違いなし! 【写真を見る】20kg増量した大沢たかお、放たれる圧倒的な熱量はまさに「レベチ」 ワールドプレミアで佐藤信介監督が「いまはいろいろなモニターで作品を観ることできますが、その最大のモニターである劇場で一番の力が発揮できるように、技術や感性をすべて投入して作りました」と明言したように、戦場で巻き起こる感動が迫力の映像&音と共にスクリーンいっぱいに広がる本作は、最高の映画体験を叶えるIMAXでこそ堪能してほしい一作だ。そこで本稿では、IMAXで楽しみたいポイントをご紹介したい。 ■冒頭からド迫力のアクションが炸裂!信&羌瘣VS龐煖の戦いを全身で体感 中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王、嬴政(えいせい/吉沢亮)の活躍を壮大なスケールで描く原泰久による漫画「キングダム」を実写化した本シリーズ。第4弾となる本作では、前作『キングダム 運命の炎』(23)で信と秦国の総大将として戦地に舞い戻った大将軍の王騎が、隣国である趙(ちょう)との総力戦を繰り広げた「馬陽の戦い」の続きが描かれる。 ゾクゾクとするような音楽を背景にこれまでのダイジェスト映像が流れる導入部に「始まったぞ…」とドキドキとしているうちに、信が率いる「飛信隊」の野営地に龐煖が突如襲来した現場に突入。観客は早速、龐煖の圧倒的な強さと不気味なオーラをまざまざと見せつけられる。まさに「冒頭からクライマックスの連続」と言えるのが本作で、音と映像を全身で浴びるIMAXならばハンパない没入感と共に映画の世界へと誘われる。 大きな矛を振り回す龐煖に、信は容赦なく吹っ飛ばされる。矛が風を切るブオン!という音や、剣がぶつかるカキン!という音。体が地面にぶつかるドスン!という音や、駆けつけた騎馬隊のドドドド!という音など、どんな音もリアルに再現するIMAXのサウンドシステムで体感すると、まるでそこにいるかのような臨場感でいっきに身も心も戦場へと引きずり込まること必至。それぞれの息づかい、風や砂埃までを感じながら、龐煖におののく「飛信隊」の一員になったような恐怖を味わえるはずだ。 また哀しみの一族とも言われる伝説の暗殺一族、“蚩尤(しゆう)”の一人で、人間離れした戦闘能力を持つ羌瘣(きょうかい/清野菜名)も龐煖に立ち向かっていくが、羌瘣のクルクルと舞うような剣技は、あまりのスピード感に驚愕。龐煖を演じる吉川はリアルを追求していたそうで、清野が「緊張感のあるシーンになった」と振り返っていたのも印象的だ。夜の戦いで彼らがどのような動きをしているのか、黒色やコントラストも鮮やかに活写するIMAXでぜひ目を凝らして見てほしい。 ■信の成長に胸が熱くなる…魅力的キャラ、それぞれのドラマを大画面で見届けたい 『キングダム』(19)、『キングダム2 遥かなる大地へ』(22)、『キングダム 運命の炎』、そして本作と、シリーズの大きな軸となるのが、山崎演じる信の成長物語だ。撮影も含めると約7年間を信と過ごしてきた山崎は、ワールドプレミアの場で「信と共に成長をしてきた」と真摯にコメント。ニューヨーク・アジアン映画祭(NYAFF)において、すばらしい演技を披露した俳優に与えられる賞「The Best from the East Award」を日本人として初めて受賞するなど、何者でもなかった信が確実に成長していく姿を、世界も認める気迫と熱量によって体現した。 ボロボロになりながらも何度も立ち上がり「まだなにも終わっていない!」と檄を飛ばす信の姿は、「飛信隊」の兵士たちを励まし続ける。一方の「飛信隊」もそんな信を支え、守ろうとする。ここまでひたむきな姿勢で「キングダム」チームを引っ張ってきた山崎だが、それは“ついていきたい背中”を見せる信の姿とぴったりと重なるものだ。ワールドプレミアで「『キングダム』チームは最強!」と晴れやかな笑顔で語っていた山崎の様子も、いかに「キングダム」が自身にとって誇らしく、宝物のような存在になっているかを物語っていた。話題作の主演という大役を背負い続けている山崎の代表作となったシリーズの最終章という意味でも、本作は見逃せない。IMAXの大画面で観れば高揚感も倍増し、その瞳に宿る情熱までを感じながら、山崎が全身全霊を注いだ信の成長や、毎回限界を突破してきたアクション、「飛信隊」と築いてきた絆が一層、胸に迫るだろう。 そして、個性豊かなキャラクターが続々とお目見えするのも本シリーズの醍醐味だ。「飛信隊」の一員で、信の幼馴染でもある尾兄弟(岡山天音&三浦貴大)と信のやり取りも、実にドラマチック。IMAXで鑑賞すると月夜の美しさも際立ち、より彼らの関係性にどっぷりと浸れるはずだ。王騎の過去に深く関わる謎多き武将、摎(きょう/新木優子)の初登場は、シリーズに新たな風を吹かせる。摎の気品と愛らしさ、強さを見事に表現した新木は、馬に乗りながら剣を振るアクションなども、スタントを使わずに自ら挑んだという。 さらに小栗旬は戦いを静観する李牧(りぼく)の底知れぬ恐ろしさまでをにじませ、秦国に恨みを抱く万極(まんごく)に扮した山田裕貴は「目をかっぴらいて、万極のトレードマークでもある目を意識して演じました」というから、こちらも注目だ。また要潤が演じる王騎軍の副官、騰(とう)の戦いも、大いにテンションが上がるシーンだ。次々に敵をなぎ倒していく場面は原作ファンにはお馴染みだが、実写としてお目見えした騰の戦闘に「こういう動きで、こういう音か!」と膝を打ちたくなる。「キングダム」では、誰もが自分の大切なもののために必死に戦っている。革新的な投影技術によって生き生きとした映像を大スクリーンに映しだすIMAXで、キャラクターがそれぞれに抱えたドラマや、役者陣が細部までこだわった役作りを隅々までじっくりと見渡してほしい。 ■ついに戦場に舞い降りた!王騎の偉大なる存在感に震える いよいよ訪れた、王騎と龐煖の一騎打ち。全編がクライマックスと言える本作のなかでも、天地を揺るがすような、目がクギ付けになる大迫力の場面として完成した。王騎役の大沢は、1作目で14kgの増量をしたが、本作ではなんと20kg増やすなど、天下の大将軍である王騎をすさまじい説得力と共に演じている。対する龐煖役の吉川は、1か月も山にこもってアクション練習をして臨むなど、龐煖の哲学や強さの理由をとことん突き詰めた。双方、並々ならぬ熱意をみなぎらせ、総大将の激突をスクリーンに刻み込んでいる。 ついに降り立った王騎の豪快な戦いぶりは、原作でも見開きを使って表されてきたが、本作でも大胆なアップや迫力のカメラワークで王騎を捉えていく。王騎が矛を地面にドン!と打つ瞬間や、力強い言葉で兵士を鼓舞していく場面は、パワフルなサウンドも相まって、観客も血が湧き立ち、武者震いするひとコマ。ぐるりと居並ぶ無数の兵士を背に対峙して、大ジャンプを決めたり、矛がしなるほど衝突したりと、鉄と鉄がぶつかり合うような重量級の戦いは、壁いっぱいに大きく広がるIMAXの大スクリーンで観なければもったいない!嬴政の凛とした佇まいを表現してきた吉沢亮は「カッコよすぎて泣いた」、要潤は「レベチ」とキャスト陣も手放しで絶賛したほか、山崎が「信の目線になって観てもらえたらおもしろいと思う」と熱っぽく語ったように、極上の没入感を約束するIMAXならば、王騎と龐煖による壮絶な戦いを“信目線”の至近距離で目撃している気持ちになれるとオススメしたい。 瞬きをするのももったいないくらい、日本映画史にその名を残すシリーズになったと実感するような本作について、プロデューサーの松橋真三は「前作以上に音にこだわっている」とサウンドについても自信をのぞかせている。90名以上のフルオーケストラによって観客を包み込むような音楽が、信や王騎たちのドラマをよりエモーショナルに盛り上げており、耳からも感動が押し寄せる。エンドロールで流れるONE OK ROCKの書き下ろし楽曲「Delusion:All」も、彼らの戦いと関わり合いを投影したような、力強さと優しさを兼ね備えた1曲だ。澄んだ深みのあるIMAXの音響でダイナミックな本作にふさわしい楽曲を聞きとげ、シリーズ最終章の余韻にたっぷりと酔いしれてほしい。 ※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記 文/成田おり枝