【ふくしま創生臨時支局・常磐湯本】ほるる 40周年で記念企画展 10月から福島県いわき市で発掘の化石並ぶ
福島県のいわき市常磐湯本町の「市石炭・化石館ほるる」は10月の開業40周年に合わせ、10月から来年1月にかけて記念事業を繰り広げる。メーンの企画展は「世界に誇るいわきの化石」(仮称)をテーマに、これまでにいわき市内で発掘され、ほるるが収蔵する化石や資料を展示する。 展示を予定しているのは、四倉町の四倉高校庭から出たイワキクジラの頭骨の化石や、中央台のいわきニュータウンから見つかったジョウバンケタス・パシフィカス(鯨類化石)やイワキゾウの化石、大久町で発掘された琥珀(こはく)の化石など。菜花智学芸員は「いわきで数多くの化石が見つかっていることを知ってほしい」と話している。 また、11月からは新1万円札に描かれた実業家渋沢栄一といわき市のかかわりを紹介するミニ企画展も開く。渋沢は、スパリゾートハワイアインズを経営する常磐興産の前身となった磐城炭鉱社の設立発起人の一人となったほか、常磐線の敷設にも深く関与した。
ほるるは、市が産炭地として繁栄した当時の資料と、市内で発掘された動植物化石を展示し、地域経済といわき湯本温泉の活性化を図る目的で1984(昭和59)年10月に開館。常磐炭鉱の歴史を伝える資料や、市内で化石が見つかったフタバサウルス・スズキイの全身骨格の復元レプリカなどを展示し、これまでに延べ約640万人が来館している。