2035年度の温室効果ガスの排出量、「13年度比60%削減」目標…地球温暖化対策計画原案
環境省と経済産業省の有識者会議は24日、2035年度の温室効果ガスの排出量を13年度比で60%削減する目標を盛り込んだ、政府の地球温暖化対策計画の原案をとりまとめた。40年度には同73%削減するとしている。政府は来年2月までに、同計画を閣議決定する方針だ。 【図解】新たな脱炭素目標設定のイメージ
21年に決定されたこれまでの計画は「30年度に同46%削減」を目標にしている。地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は世界の平均気温の上昇幅を産業革命前と比べて「1・5度以内」に抑えることを掲げ、各国は来年2月までに35年までの温室効果ガスの削減目標を国連に提出するよう求められている。
日本は50年までに排出量を実質ゼロにすることを目指している。両省は1990年度以降で最も排出量が多かった2013年度を起点として排出量を直線的に減らす場合、計画で示した削減量が必要になることを根拠にしている。
これまでに経団連などが「60%削減」目標を支持。一方、23年の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では35年までに13年比換算で66%削減する必要性が示されており、環境団体などは「計画案は不十分だ」として目標の引き上げを求めていた。
政府は、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」も24年度中に閣議決定する予定で、議論が進められている。原子力発電や再生可能エネルギーなどの脱炭素電源の割合を高める案が示され、今回の削減目標を裏付けるものになっている。