19年J1・MVPが復活の狼煙 パリ五輪世代とホットライン「準備はしていた」「玖生のおかげ」
仲川が松木のクロスに反応し、昨年5月以来の得点を決める
FC東京は4月7日、J1リーグ第7節で鹿島アントラーズと国立競技場で対戦し2-0の勝利を飾った。この試合で2019年にJ1得点王に輝き、リーグMVPを取ったFC東京のMF仲川輝人が、昨年5月6日の第12節北海道コンサドーレ札幌戦(1-5)以来となるゴールを記録している。 【動画】「サッカー選手のあるべき姿」 仲川輝人、昨年5月以来のゴール→ファンを煽った瞬間 仲川の約1年ぶりとなるゴールは、まさかのヘディングだった。この日、FW荒木遼太郎がレンタル元である鹿島との契約上で試合に出られず。FWディエゴ・オリヴェイラ、FW小柏剛のコンディション不良もあり、センターフォワードで抜擢された。 161センチの仲川にはディエゴ・オリヴェイラのようなポストプレーは難しい。また、今シーズン加入してゴールを量産している荒木のように中盤に引いてゲームメイクに絡んでいくタイプでもない。前半から1トップとして裏を狙い続けていたが、なかなかチームメイトとのタイミングが合わずに、ボールを要求する場面が見られていた。 「ディフェンスラインの前でボールを受けても、相手は鹿島なのであまり崩れないと思っていました。やっぱり裏に抜ける動きだったり、ペナルティエリアの角を取りに行く動きをしていかないと、相手のDFはズレていかない。それに(裏を狙うのは)僕の特徴でもあるので。タロウ(荒木遼太郎)とは違った形ですけど、チームでもそこを取りに行こうとしていました」と仲川は、その意図を語った。 後半に入ると、少しずつ仲川へのボールも増えていき、同10分には左サイドに回った松木からアーリークロスが送られると、鹿島の守備を外した仲川がヘッドでボールをゴールに流し込んだ。 殊勲の先制点を挙げた仲川は「いや、もう(松木)玖生のおかげです。アイコンタクトができて、まさかロングパスだとは思わなかったですけど、準備はしていたので。僕が合わせるだけだったのかなと思います。点を取れれば何でもいいというのはありましたが、まさか頭で取るとは思っていませんでした。本当に約1年ぶりのゴールですし、良い結果がでなかった不甲斐なさ、責任感もあったので。タロウが出られないとか、怪我人がいてとか、しかも連戦ということもあったので、普段と違うポジションですが、得点に関われたことにはホッとしました」と、白い歯を見せた。 ゴールを決めた仲川は、ゴール裏の電光掲示板を飛び越えてファン・サポーターの前に行き、チームメイトとゴールを喜び、耳に手を当ててファン・サポーターを煽るなど、ゴールセレブレーションにも時間をかけた。歓喜の時間について「(たっぷりと時間を)使わせてもらいましたけど、みんなと喜び合えたし、ファン・サポーターの前でしっかりゴールという結果を見せられたので、有意義な時間を噛み締めました」と振り返る。 耳に手を当てるパフォーマンスについては「『どうだ』『ここにいるぞ』っていう意味もあるし、俺の名前を叫んでほしかった。自分が結果を出せていなかったことで、批判をしてくる人もいた。そういう人たちを結果で見返すことが、サッカー選手のあるべき姿なので、そういう意味も込めたパフォーマンスでした」と説明した。