鳥栖の川井監督が追求する“究極のバランス”。リーダーの存在も重視。「子どものヤンチャな部分は持ち、時には誰かが親代わりに」
強いチームになっていく期待は高まる
サガン鳥栖は川井健太監督が就任して3シーズン目を迎える。2022年が11位、昨年が14位と成績面を見れば、決して高い評価はできないが、チームの基盤としては徐々に築かれている手応えがあって、勝負の3シーズン目ということだろう。 【PHOTO】川井健太監督就任3年目のサガン鳥栖も沖縄でトレーニングを開始! クラブの立ち位置的に、どうしても主力の流出が毎年のように話題になる。このオフにも主力からは昨年9得点のFW小野裕二がアルビレックス新潟、サイドの主翼だった岩崎悠人がアビスパ福岡に移籍。また昨夏に、ガンバ大阪に期限付き移籍していたDF中野伸哉が完全移籍となるなど、今後チームの中心的な存在になることを期待された選手との別れもあった。 その代わりに昨シーズン、東京ヴェルディのJ1昇格に大きく貢献した中原輝がセレッソ大阪から加入し、横浜FCからマルセロ・ヒアン、FC今治からヴィニシウス・アラウージョとJリーグでの経験がある外国人選手を加えられたことで、課題だったゴール前の得点力アップにも目処が立ってきた。川井監督も「間違いなくバージョンアップ、パワーアップしていると思います」と語る。 「もっとこういうものを作りたいという意味では、素材の部分は間違いなく必要で、強化部がしっかり仕事をしてくれましたので。あとは料理人の腕次第かなと思っています」 昨シーズンは序盤戦に怪我人が多発し、新戦力として期待された横山歩夢や富樫敬真といったタレントも、長期の怪我でシーズンを通じ満足に稼働できなかったことも痛かった。 そういった部分では、中盤でブレイクしたMF河原創やセンターバックの主力に成長したDF山﨑浩介など、ベースとなる選手が屋台骨を支えて、中原や二人の外国人FWが爆発力を加えることができれば、昨シーズンより強いチームになっていく期待は高まる。 鳥栖で2年目となる横山も、昨年は開幕してすぐにU-20代表の遠征があり、チーム復帰後にすぐ怪我をしてしまったことで、描いていた青写真が狂ってしまったところはある。 それでもジョーカーとして相手の脅威になっていたところから、スタメンに定着するために「前線からのプレスというのは言われていたので。そこを修正して、あとは自分の良さをどんどん出していければ」と意気込む。