<WBC>4連勝のイスラエル旋風を支える16人投手制
イスラエルの進撃が止まらない。WBCの2次ラウンドプールEが12日に開幕したが、その初戦でイスラエルが4-1の逆転でキューバを下した。1次ラウンドから4連勝である。この日はセーフティスクイズで追加点を奪うなど、機動力が使える面まで披露したが、チームの快進撃を支えているのは16人もベンチ入りさせ安定した投手陣だ。先発したメジャー通算124勝のジェイソン・マーキーは、15日の日本戦には出てこれないが、終盤に繰り出したゴールドシュミットは155キロ、ストッパー起用されたザイドは、156キロをマークした。勝利の方程式が確立されているイスラエルにリードを許す展開は危険なのかもしれない。 敗れたキューバのマルティ監督がイスラエルチームに敬意を表した。 「こんなにいい選手がたくさんいるチームだとは知らなかった。高いレベルだった。特にピッチャーはメジャーリーグレベルに達している。このまま決勝トーナメントにいく可能性のあるチームだ」 デスパイネの大会3号ソロで2回に先制したが、その後はゼロ行進。 ジェイソン・マーキーの「低めにボールを集めゴロを打たせるのが私のスタイル」というテクニックの前に沈黙を続け、6回二死からデスパイネにぶつけて歩かせると、2番手のソーントンにスイッチ。サーペドラを146キロのストレートで押さえ込んだ。 7回も3人で締めると、8回からはゴールドバーグ。先頭の代打・デルガドの当たりそこねがラッキーな内野安打になり、四球なども絡んで二死一、二塁となったところで、今度はザイドに交代。 「デスパイネだけが要注意だったので勝負を避けた」(ウエインスタイン監督)とベンチで指示でデスパイネを歩かせて満塁としたが、サーベトラのタイミングをスライダーではずした。 ゴールドバーグの最速は155キロ。9回も2三振を奪い3人で終えたザイドの最速は156キロだった。 3人共にアメリカで野球をしているマイナーリーガーだ。 ソーントンはメッツ傘下の3Aラスベガスで昨年は35試合に登板、0勝3敗、防御率7.03。 ゴールドバーグは、3Aのシャーロットで43試合に投げて3勝3敗、10セーブポイント、防御率は2.84、44個の三振。 ジョシュ・ザイドは、2013、2014年はアストロズの中継ぎとして2年で48試合に登板しているメジャー経験者で、昨年は2Aビンハムトン、3Aラスベガスで先発として投げてトータルで7勝6敗だった。 通常どのチームも投手枠は13人だが、イスラエルは異例の16人をベンチ入りさせている。もちろん全員がマイナーリーガーである。 「ピッチャーの層が厚く、いろんなタイプのピッチャーが揃っているので、相手は対応するのが難しいだろう。相手とのマッチアップを考えながら、細かな継投に、1球、1球が重要になってくる。コーチ、アナリストと事前に細かなゲームプランを練り、その通りに進めていく」と、ウエインスタイン監督。