『代官山蚤の市』で見つけた1920年代のハンティングジャケット!
「あぁ、随分古い染みだ。これだけはやってみないとわからないなぁ」。2日後、留守番電話が。恐る恐る再生すると「大変なことになっちゃった~」と山本さんの第一声。古い生地だから洗濯でぼろぼろにでもなってしまったのかと覚悟したら「染みが完全に消えたよ」と。 喜び勇んで表参道へ向かう。レジェンドから手渡されたジャケットを見て驚愕。染みや汚れが消えたどころか、生成りだと思っていた生地は経年で黄ばんでいただけだったようで、眩い純白に。安価で譲ってくれた世田さんには申し訳ないが、これは良い買い物だった。 「私ももう歳だからゆっくりしたいんだけどね~」と、うれしそうにおっしゃる山本さんの笑顔が白くなったジャケットよりも眩しかった。山本さん、僕らのためにまだまだ頑張ってください!
こちらが山本さんの手に渡す前のジャケット。実は世田さんも販売前になじみのクリーニング店で染み落としの依頼をしてみたが、落ちなかったとのこと。山本さんは特殊な溶剤を使って何度も洗いをかけて見事にきれいにしてくださった。費用は当然通常のクリーニングよりは高価。もちろんレジェンドとて、すべての汚れを今回のようにきれいに落とせるわけではないのは改めてここで申し上げておく。
文/田中知之(FPM) 写真/鈴木泰之(Studio Log)