J1練習参加で衝撃「全く奪えない」 力不足も…あえて選んだプロ内定「どうすればいいか困った」
桐蔭横浜大MF笠井佳祐に衝撃を与えた“新潟サッカー”
今年4月、来季からのアルビレックス新潟入り内定が発表された桐蔭横浜大のMF笠井佳祐にとって、新潟が展開するサッカーは「自分に足りないものを身に付ける大きなチャンス」でもあった。 【動画】「三笘を超える逸材?」 大学生20歳MFが驚愕テクニックの“無双ドリブル”シーン 新潟から練習参加の打診があったのは昨年の夏のこと。関東第一高時代からフィジカルレベルが高く、運動量も豊富で、ボールを持ったら積極的な仕掛けとシュートスキルを駆使してチームにゴールをもたらすストライカーだった。桐蔭横浜大に進学してからはパスやパスを出してからの動きに磨きがかかり、FWだけではなく、トップ下からボランチ、サイドまで幅広くプレー。チャンスメイクも担うようになった。 こうした攻撃面での推進力が評価をされ、大学3年生ながらJクラブから熱視線を浴びる存在となり、その中で新潟の練習に参加した。そこで待っていたのは彼のサッカー観も揺るがす、大きな経験だった。 新潟は松橋力蔵監督の下、最終ラインからテンポよくボールをつないで、数的優位を作り出しながら崩していくサッカーを展開。練習でのボール回しの質は、彼にとって大きな衝撃だった。 「あまりのポゼッションのうまさとテンポの速さにボールが全く奪えなかった。周りの選手をよく観察すると、みんな相手が飛び込んでくるタイミングや足を出してくるタイミングをしっかりと見計らっていた。相手の動きを見て判断を変えられる選手がすごく多いことを感じた」 付いていくことができなかった自分に対し、危機感だけではなく、「このチームでやったらさらに上手くなれるかもしれない」と感じた。この感覚を忘れないように、桐蔭横浜大に戻ると球離れを早くすることを意識した。当然、球離れを早くしようとすればするほど、その前の準備の部分の必要性を痛感することになる。 「前を向いてから考えることが多いことに気づきました。それでは遅くて、もうパスコースやプレーの判断が狭まってしまう。もらう前の動きや、相手を見て判断することはもちろん、あとは新潟で学んだことはパスの強弱。出すほうもそうですが、受ける側もパスの強弱の判断に基づいてスルーやワンタッチでコースを変えたり、寄って行って受けたりしていた。そこは本当に学びました」 敵と味方の位置、スペース、そして守備の相手の矢印と味方のパスのメッセージ。複合的な要素を持って準備をして、加速しながら正確な判断を下す。彼の中で明確な基準が生まれてから、より成長速度が増した。