映画『パスト ライブス/再会』など、監督たちの実体験をもとに描かれた“オートフィクション映画”の名作4選
第96回アカデミー賞で作品賞、脚本賞にノミネートされている、映画『パスト ライブス/再会』。本作で長編映画監督デビューを飾るセリーヌ・ソンは、12歳の時、家族とともにソウルからトロントへ移住し、その後ニューヨークに移った自身の原体験を元にオリジナル脚本を執筆した。 セリーヌ・ソンによる本作と同様に、A24が携わり、世界で一躍脚光を浴びることとなった監督たちの長編映画デビュー作には、自身の実体験を基に描いた“オートフィクション映画”が多く存在する。その中でもひと際注目を集めた“オートフィクション映画の名作”をピックアップしたい。 ■『パスト ライブス/再会』 初めて恋をしたふたりは、24年後、NYで再びめぐり逢う。 ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソンは、お互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離ればなれになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会するが、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。そしてさらに12年後の36歳、ノラ(グレタ・リー)は作家のアーサー(ジョン・マガロ)と結婚していた。ヘソン(ユ・テオ)はそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。ふたりが選ぶ、運命とは。 2024年4月5日(金)より全国公開 ■『レディ・バード』 青春の輝きと痛みを知る誰もが共感し、心震わせる物語 進路をめぐり母親と大喧嘩した挙句、骨折し、ギプスをつけるはめになった17歳のクリスティン(しアーシャ・ローナン)は、自らを“レディ・バード”と名づけ、周囲にもそう呼ばせていた。あるとき、ミュージカルのオーディションを受けることにした彼女は、好青年ダニー(ルーカス・ヘッジズ)やカイルらと出会う。 『20センチュリー・ウーマン』などで知られる女優のグレタ・ガーウィグが、自身の出身地米カリフォルニア州サクラメントを舞台に描いた自伝的な青春映画。『フランシス・ハ』や『ハンナだけど、生きていく!』などでは脚本も手がけていたグレタだが、初めて単独監督としてメガホンをとった本作で第90回アカデミー賞 作品賞、監督賞など5部門にノミネート。その後監督・脚本を務めた『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』『バービー』もそれぞれアカデミー賞作品賞へノミネートを果たし、映画界になくてはならない存在として活躍している。 Amazon Prime Video、U-NEXTなどで配信中(日本公開:2018年6月1日)