「ディディ」ことショーン・コムズ被告（ロイター）

　米人気ラッパーのディディとして知られる大物音楽プロデューサーのショーン・コムズ被告（54）が性的人身売買罪などで起訴され、18日、保釈請求に関する審理が行われた。裁判官は保釈請求を認めず、裁判まで勾留する決定を下した。米紙ニューヨーク・ポストが18日、報じた。 　コムズ被告に対する性的人身売買事件で、18日に新たなテキストメッセージが公開された。マンハッタンの連邦裁判所のアンドリュー・カーター・ジュニア裁判官は18日、5000万ドル（約71億6000万円）の保釈金と自宅拘禁および電子監視の提案は「不十分」であるとし、17日の治安判事による勾留延長の判決を支持した。 　エミリー・ジョンソン検察官は、コムズ被告の保釈請求に関する審理で、コムズ被告と被害者との間のメッセージを用いて、被告は引き続き勾留されるべきだという主張を補強した。 　被害者の一人は、コムズ容疑者の元恋人で歌手のキャシー・ベンチュラが昨年11月16日にコムズ被告を相手取って起こした訴訟の申し立てを読んだ後、11月19日にコムズ被告にメッセージを送った。検察官がそのメッセージを読み上げた。 「自分の性的トラウマを読んでいるような気がする。3ページにわたる文章が、私の経験と苦悩を一言一句そのまま伝えていることに、うんざりしている」 　検察側は、コムズ被告が被害者を「ガスライティング（心理的虐待の一種で被害者の認識を疑うよう仕向ける手法）」し、「自分と性行為を進んで行ったと信じ込ませようとした」証拠となる録音を持っていると述べた。 「コムズ被告が保釈されれば、証人がコムズ被告に不利な証言をすることを阻止できる。目撃者は被告に対して極度の恐怖を感じていたと私たちに伝えた」とジョンソン検察官は話した。 　コムズ被告の弁護士マーク・アニフィロ氏は「被告がすべての出廷をし、保釈条件を順守する」と裁判官に保証した。保釈条件には、被告が勾留場所として提案したフロリダ州マイアミの自宅に女性を招かないという約束も含まれている。 　しかしカーター裁判官は、コムズ被告は依然として暗号メッセージを通じて「司法妨害や証人脅迫」を行う可能性があると判断。コムズ被告をメトロポリタン拘置所に勾留するよう命じた。