誤差100グラムの超過騒動に新展開も “悲劇”のビネシュが実施した過激減量をインド紙は問題視「身体に極めて有害」【パリ五輪】
世界が騒然となったアクシデントの余波はいまだ収まりそうにない。 アクシデントに見舞われたのは、インドのビネシュ・フォガトだ。3年前の東京五輪にも出場していた29歳は、現地時間8月7日に行われたパリ五輪女子レスリングのフリースタイル50キロ級決勝前の当日計量で失格処分を下された。 【画像】ドラマ相次ぐパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェック! リミットまでの誤差は100グラムだった。前日の晩から散髪や激しいサウナセッション、さらに採血まで行う壮絶な減量をこなしたビネシュだったが、“わずかな差”は埋まらず……。そのショックは本人がSNSで「私の勇気もすっかり折れてしまいました。もうこれ以上の力はありません」とつぶやくほどだった。 今大会は初戦で優勝候補の一角だった日本の須﨑優衣を撃破していたビネシュ。ゆえに国内外で金メダルの期待は高まっていただけに、インドでの衝撃は日が経ってもなお広まっている。 インドの日刊紙『Hindustan Times』は「ビネシュはオリンピックで決勝に進出した初のインド人レスラーだった。しかし、彼女、いやインド全土の夢は、トランプ一組、もしくは靴下一足と同じくらい取るに足りない体重超過によって打ち砕かれた」とお茶の間を騒然とさせたニュースを紹介。その中でビネシュが実行した過酷すぎる減量法を問題視する意見を展開した。 「彼女と陣営は体重を落とすために夜通し減量に励み、採血や髪を切るなどの極端な手法を駆使した。レスリングやボクシングでは、今回のようにほんの些細な重量が選手の夢や希望を壊してしまう。だからチームは極端な減量策を講じる。だが、その手法は重大な健康問題を引き起こし、身体には極めて有害である」 さらに「身体的な影響以外にも、過度な減量は精神的にも有害で、試合前の自尊心や自信に影響する」と過度な減量が抱える問題点を列挙した同紙は、「健康上で彼女が問題を抱えていたのは明らかだった」と断言。陣営のサポート体制不足を危険視した。 現地時間8月10日には、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が、失格処分を不服として銀メダルの付与を求めたビネシュに対する判決発表を今月13日までに延期した。この新展開により、騒動の話題はまだまだ膨らんでいきそうな情勢となっている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]