【マイルCS】驚異のラスト10・8秒で7馬身ぶっちぎり!ソウルラッシュにGⅠ制覇の時が来た
[GⅠマイルチャンピオンシップ=2024年11月17日(日曜)3歳上、京都競馬場・芝外1600メートル] 昨年の覇者ナミュール、エリザベス女王杯勝ち馬ブレイディヴェーグ、欧州のマイルGⅠ3勝馬チャリンなどが揃ったGⅠマイルチャンピオンシップ(17日=京都芝外1600メートル)。そんな中、どの馬よりもこの舞台に精通した馬がいる。千六のリズムとソウルが体に染みついた“マイル・マシーン”ソウルラッシュ。戦慄の末脚がシャウトする。 「4角では着外かな、という手応えでしたが、よく2着にきてくれました」。池江調教師は秋始動戦の富士Sをこう振り返る。決してスムーズなレース運びだったとは言えない。勝ったジュンブロッサムが外一直線に伸びてきたのとは違い、馬群の中を何度か切り返しながらの追撃だった。それでもラスト1ハロンで割って出ると、怒とうの突進力を披露した。「勝ち馬とは斤量差(57キロ対58キロ)がありましたし、直線で少しモタついた分がありました」と池江師が語ったように、もろもろの材料を差し引きすれば「1馬身差」はお釣りがくる。 むしろ、6月の安田記念(3着)以来、久々の実戦でありながら、きっちり連対を果たしたことを評価するべきであって、当然ながらGⅠ舞台でもランクを落とす必要は全くない。 7日の1週前追い切りはベテラントラックマンも舌を巻く圧巻のパフォーマンスだった。団野を背に栗東ウッドコースに姿を現すと、ウェルカムニュース(古馬オープン)と併せ馬を敢行。僚馬を2馬身追いかけてスタートし、直線外に持ち出すと鞍上の仕掛けに即座に反応し、グイ~ンと驚異の伸び脚。ラスト1ハロン10・8秒という、この週における最速ラップを刻んで僚馬を7馬身もぶっちぎってみせた(6ハロン81・4秒)。 手綱を取った団野が開口一番「動けています」と言ったのも当然だ。続けて、「1頭前に置いて後ろからついていき、外に出してしっかりと動かしてほしいという指示でした。これでシャキッとしてくれればと思いますし1週前なのでしっかりやれて良かったです」と納得の表情を見せた。池江師も「理想的な追い切りができました」。思わず口元を緩ませたのは想定以上の動きだったからだろうか。 マイル戦ならどこでも安定して走るソウルラッシュだが、京都は昨年の当レース2着、今年のマイラーズC勝ちの実績があり、ベストコースの可能性が高い。これには池江師も「東京よりは全然いいです。直線平坦はいいですし、坂の下りを利用できるのもいいですね」と証言しており、団野も「乗った感触は京都のほうがいいのかなと思います」と同調している。 2021年12月から、これがマイル戦連続出走16戦目となる6歳秋の円熟マイラー。これまで幾度となく阻まれたGⅠの高い壁を魂の突進で突き破った時、ソウルフルな週末が訪れる。
明神 瑠