「出力を上げるボタンを押し忘れ、機長も確認忘れ」…事故原因は人的ミス 陸上自衛隊のオスプレイ接触事故 離陸時に必要な手順守られず
与那国島での接触事故を受け飛行を停止していた陸上自衛隊のオスプレイについて、保有する機体が15日にも飛行を再開することを発表しました。事故原因は「人的要因」だったと公表し、離陸時に必要な手順が守られていなかったことが新たに分かりました。 【写真を見る】「出力を上げるボタンを押し忘れ、機長も確認忘れ」…事故原因は人的ミス 陸上自衛隊のオスプレイ接触事故 離陸時に必要な手順守られず ▽森下泰臣陸上幕僚長 「機体の信頼性とかそういったものでは全くなく、不適切な操作だった」 「関係する地域の皆様の懸念や不安の声があるなか今般のような事故を発生させたことを陸上幕僚長として重く受け止め、これまで以上に航空安全の確保を図り、事故の再発防止に全力を挙げ、飛行の安全に万全を尽くす」 陸上自衛隊トップの森下陸上幕僚長は14日午後、会見を開き、先月27日に与那国駐屯地で訓練中に発生したV-22オスプレイの接触事故の原因について、「人的要因に起因する」と正式に公表しました。 事故調査委員会がフライトレコーダーなどを分析し調査を進めたところ、離陸時に必要なエンジン出力を上げるためのボタンをパイロットが押し忘れていたことが判明したということです。 陸上自衛隊によると、オスプレイは他の回転翼機に比べローターブレードが機体重量に対して短いため、離着陸時に高い出力が必要です。そのため、出力を上げるための「インテリム・パワー機能」をオンにするボタンが備え付けられています。 本来、副操縦士がボタンを押して機長が確認するという手順が定められていますが、どちらも忘れられていて、離陸時に出力が足りず機体のバランスが崩れたということです。 陸自は再発防止策として、ボタンの押し忘れのためにボタン周辺をマーキングすることや、操縦士教育の徹底を挙げています。 陸上自衛隊は、この事故のあと飛行停止としていたオスプレイについて、早ければ15日にも、関係自治体と調整のうえで飛行を再開するということです。 一方、与那国島にある事故機の離陸のめどは立っていません。 オスプレイをめぐっては14日、米軍所属の機体が、鹿児島県の奄美空港に2機が、福岡県の福岡空港に4機が緊急着陸していて、森下幕僚長は、福岡空港に着陸した機体は「日米韓の共同訓練に参加しているものだった」と述べています。 関係者によりますと、奄美空港に到着した機体は普天間基地所属機で、既に離陸しています。
琉球放送