阪神が今季ワーストの5連敗で高まる西岡剛待望論
阪神が27日、静岡県の浜松で行われた中日戦で1-3の惜敗、連敗は今季ワースト更新となる「5」に伸び、首位の広島とのゲーム差も「6」に広がった。チャンスは作るが1本の出ない相変わらずの“貧打”に左アキレス腱断裂の大怪我からファームで復帰している西岡剛(32)への待望論が持ち上がっている。 先発の秋山は、6回を4安打2失点とゲームを作ったが、打線にまた1本が出なかった。 3回二死二、三塁では、得点圏打率でリーグトップの糸井も二ゴロ。5回も一死から得点圏に進めたが高山、上本が凡退。7回には二死満塁から糸井が押し出しの四球を選び、1点差に迫ったが、なお満塁で代わった又吉から4番の福留が甘いボールを見逃し難しいボールに手を出す最悪パターンでスイングアウトに倒れた。 8回には無死一、二塁から糸原がバントに失敗すると、梅野にもバントをさせる“高校野球戦法”で流れを変えようとした。二死二、三塁から代打・伊藤隼太を送り、中日が左腕の岩瀬にスイッチしてくると、代打の代打に大和をコールするなど仕掛けたが、フルカウントから見逃しの三振に終わった。アウトコースのボールの判定となってもおかしくない微妙なコースだったが、チームの勢いがそのまま出たようなシーンだった。 金本監督は、試合後、「今が一番底。1年の中でこういう時期はどこのチームにも絶対ある。今、それがウチに来ているだけ」と、冷静にチーム状態を振り返り、「みんな前を向いている。声も出ている」と、悲観的ではなかった。だが、この5連敗中、3得点以上取れない打線の不振は深刻で、チーム内外から上がっている声が、復帰後、ファームで順調にステップアップしている西岡剛への1軍昇格待望論だ。 西岡は、昨年7月20日の巨人戦でタイムリーを放った後の走塁で左アキレス腱を断裂した。手術を行い、今春キャンプは2軍のリハビリ組からスタート。5月に入って全体練習に合流、5月30日のファームのソフトバンク戦で「4番・DH」で314日ぶりにゲーム復帰を果たし、さっそくライト前ヒットを放った。 6月23日に甲子園で行われたウエスタンの広島戦では「1番・ショート」で復帰後、初めてフル出場。25日には、センターのポジションでもスタメン出場、この日のオリックス戦ではプロ初となる「1番・一塁」で2度目のフル出場を終えて、3打数3安打の結果を残すなど、1軍で、どのポジションでの出場機会があっても対応できるような準備を段階を踏んで整えてきた。