日韓の企業やリオ・ティントに注目集まる-ヘッジファンド年次会合
(ブルームバーグ): ヘッジファンド業界の年次会合ソーン・香港インベストメント・リーダーズ・コンファレンスで注目されたのは、日本と韓国の企業、鉱業大手リオ・ティント・グループだった。
人工知能(AI)や製薬会社の不祥事、エクアドル債なども話題に上がった。日本企業で注目されたのは、以下のような投資機会。
日本
オアシス・マネジメントのセス・フィッシャー最高投資責任者(CIO)は、日本にアクティビスト(物言う投資家)の好機があると強調。拙劣な経営や無責任な取締役会といった問題は依然として一部の企業にはびこっていると指摘した。
フィッシャー氏は小林製薬に注目した。同社は紅麴(こうじ)原料を含むサプリメントで摂取した5人の消費者が死亡、100人以上が入院し、製品の回収を余儀なくされた。同社の自己資本利益率(ROE)、株価はいずれもアンダーパフォームしているとフィッシャー氏は断じ、取締役会のガバナンスと株主還元の向上、非上場化、ガバナンス改善に向けたオアシスとの協力という3つの選択肢を提示した。
ゼナーアセットマネジメントの創業パートナー、デービッド・ミッチンソン氏は人材派遣や事業支援のトランスコスモスを注目銘柄に選んだ。
ミッチンソン氏によると、トランスコスモスの業績は昨年減速したものの、本業を成長させてきた実績があり、株価は同業他社に比べて著しく割安な水準で取引されている。企業としての目標が十分に野心的ではないと指摘する投資家に対しても、耳を傾け始めているという。同社が明快な資本戦略を打ち出せば、事業も改善し得るとミッチンソン氏は主張した。
カタリスト投資顧問の平野太郎社長は、大日本印刷がいっそうの価値を生む可能性を秘めているとみる。無数のサイドビジネスを抱え、電気自動車(EV)用バッテリーパウチと有機EL(OLED)用メタルマスクの両事業は世界的に有意な市場シェアを持つ。半導体用フォトマスクに注力する事業や、コカ・コーラへのボトリングサービス提供も行っている。