【サンディエゴ（米カリフォルニア州）1日（日本時間2日）＝山田結軌】米大リーグはポストシーズン（PS）が開幕して3回戦制のワイルドカードシリーズ（WCS）が始まり、ナ・リーグはパドレスがブレーブスに4―0で先勝。5日（同6日）に始まるドジャースとの地区シリーズ（5回戦制）進出に王手をかけた。ダルビッシュ有（38）、松井裕樹（28）両投手の登板はなかった。 「キング」の名前のごとく、王様のような貫禄でゲームを支配した。ワイルドカードシリーズ第1戦の先発を任されたパドレスの29歳右腕、マイケル・キング投手が7回ゼロ封。「12奪三振、無失点、無四球での勝利投手」はポストシーズン（PS）史上初の快挙だ。 5安打され「思ったより多く打たれたね」と冗談めかして笑った。そして「ヒギー（ヒガシオカ捕手）がうまくリードしてくれた。走者を出したけれど弱い打球を打たせることができた」と振り返った。 昨年12月、捕手のヒガシオカとともにトレードでヤンキースから加入。古巣では救援起用が多かったが、今季は先発で13勝を挙げた。PS初先発で好投し「中継ぎのときは盛り上がる場面で使われるのが好きだった。重圧を感じるのが好きなんだ」とこともなげだ。 キングが感謝した相棒のカイル・ヒガシオカ捕手（34）は日系4世。ヤ軍時代は田中将大（現楽天）ともコンビを組んでいた。母語は英語だが「オツカレサマデス」など日本語の習得に努め、ダルビッシュら投手陣からの信頼は厚い。この日は二回に中犠飛、八回には駄目押しの左越えソロを放った。 ブレーブスに完勝し、ドジャースが待つ地区シリーズ進出へ、あと1勝。ダルビッシュ、松井ともにブルペンから試合を見つめる中、4万7000人以上の本拠地大観衆が熱狂し、チームカラーの黄色いタオルを振り回した。