「神戸残留」武藤嘉紀の決断が正解と確信できた“2つの根拠”【コラム】
慣れ親しんだ場所の重要性
名古屋グランパスへの移籍も噂されていた武藤嘉紀(ヴィッセル神戸)が残留を決意した。クラブを通して彼は以下のようにコメントしている。 【画像】2025シーズンのJ1開幕カードの日程は? 「多くのことを考える時間が必要でしたが、三連覇、そしてクラブの目標でもあるアジア・ナンバー1を獲るために本気で僕を必要としてくれたヴィッセル神戸に全てを捧げる覚悟でこの決断をしました」 正しい判断だったと、勝手ながら思う。「本気で僕を必要としてくれた」との文言からは、クラブと満足の行く話し合いができた充実感が伝わってくる。“24年JリーグMVP”の勲章を引っ提げて臨む来季は日本代表復帰を目指すだけでなく、ワールドカップ出場への足がかりを築こうと考えているはずで、そうならば“慣れ親しんだ場所”でプレーするのがベスト。その意味で、神戸残留は正解だ。 しかも、J1リーグ3連覇はなかなか狙えるものではない。過去成し遂げたのは2009年の鹿島アントラーズだけ。そもそも、3連覇に挑戦できる機会などそう巡ってこない。神戸に残留してそのチャンスを得たという点でも、武藤の決断は正しかった。 「ワールドカップ出場への足がかり」と「3連覇へのチャレンジ」。残留が正解と確信できた2つの根拠がこれである。 ちなみに、彼の家族も立派だと率直にそう思う。“支える”と言葉で言うのは簡単だが、実際はなかなかできる行為ではない。今回も武藤の意思を尊重しただろう家族の存在は文字通り偉大である。 2025年、武藤がピッチでさらなる輝きを放つことを期待したい。 文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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