今年も開催が決定した『U18日清食品リーグ』、横浜BCの河村勇輝&デンソーの髙田真希が語るリーグ戦を戦うことの意味
河村勇輝「リーグ戦を行うことは競技力とチーム力向上に繋がる」
リーグ戦文化を根付かせることなどをねらいに創設された『U18日清食品リーグバスケットボール競技大会2024』が今年も開催される。男子日本代表であり横浜ビー・コルセアーズ所属の河村勇輝とデンソーアイリス所属で女子日本代表の中心選手である髙田真希がリーグ戦で戦うことの重要性を語った。 ──高校時、試合数は少なかったですか? 河村:大学、プロを経験してからは高校生の時はそんなに多くなかったかなっていうのは印象としてあります。一気にトーナメントをするということが多かったので、試合のスパンは開いていたかなと思いますね。 ──このようなリーグ戦が行われることについてどう思いますか。 髙田:うらやましいです。自分たちの時代にもリーグ戦があったらいいなって思いながらたまに映像を見たりします。トーナメントは勝ち進んだチームは試合は増えますが、負けたチームはそうではなく、後者のチームのほうが確実に多いので、同じ大会で何回も戦えるっていうのはすごく魅力的なことだと思います。 ──今、リーグ戦文化が盛んになってきましたが、そこについてどう思いますか。 河村:トーナメントとはまた違った、総当たりで確実に実力が分かる試合の戦い方になってくるのはすごく良いと思います。また、一発勝負のトーナメントとは異なり、監督がチームで準備してきたことや選手を試すことができる場にもなると思う。もちろん勝つために戦うのは大前提なんですけど、一発勝負ではなく、試せるっていうところも面白さの一つかなって思います。 ──リーグ戦でどんな力を養えばプロや世界で戦えるようになると思いますか。 髙田:自分たちのどこが悪くて負けてしまったのか、どこが良くて勝てたのかっていう部分をはっきりさせて、次のゲームに臨むといったことを学生時代から習慣づけることは世界と戦う上で重要だと思います。なおかつ、学校生活がある中で遠征して、各地に行って、試合して、帰ってきて…っていうタフなスケジュールをこなすことも、世界を見据えた際に大事だと思っているので、そういったのも含めてすごく良い経験ができるものだと思ってます。 ──今年から全都道府県でブロックリーグが行われます。日本バスケにとってどんな意味があると思いますか。 河村:チームとして準備の仕方が変わってくるので、全都道府県でそういった形で本当の力が試される大会が増えればより競争力が増すと思います。日本バスケ全体の競技力・チーム力向上に繋がるんじゃないかなと思います。 髙田:競技を活性化させたり競技力をアップさせていくにはすごく重要な取り組みだと思っています。トーナメントで勝ち上がれないチームでも、リーグ戦なら戦えるチャンスが増える。なおかついろんなチームと対戦できるというのは良い機会。バスケットだけでなく人生においても何か新しい発見っていうのがあると思うので、そういった意味でもすごく重要な大会だと思います。 ──国際試合やワールドカップの予選リーグと、国内のリーグ戦の違いは感じますか。 河村:僕自身のワールドカップでの経験で言うと、初戦のドイツ戦で緊張し、プレッシャーに負けて悔しい思いをしました。リーグ戦の場合はすぐに試合があって、負けたり自分に納得いかないプレーが続いたとしても、その経験を次の試合に還元したり挑戦できます。それはすごく良いと思いました。このリーグ戦でも同じ経験ができると思うので、勝ち負けだけではなくて個人としての成長を考え、昨日できなかったことを次の試合でトライし、良い成長の機会にしてほしいです。 ──注目チーム、選手はいますか? 髙田:母校になってしまいますけど、桜花学園高校には注目してますね。昨年は本当に悔しい結果になってしまったと思うので、卒業生として優勝してほしいと思います。新入生の竹内みや選手には特に注目していますし、彼女が周りをどうやって生かすのか、1年生としてどうやって上級生たちと噛み合っていくのかがすごく楽しみです。 河村:福岡第一高校は母校でもあるのでぜひ頑張ってほしいと思いますし、東山高校の瀬川琉久選手や佐藤凪選手、福岡大学附属大濠高校の渡邉伶音選手や湧川裕斗選手など、アンダーカテゴリー日本代表で頑張っている選手がリーグ戦の経験を生かすことで、高校生年代の大会がよりレベルアップすることに期待しています。 ──トップリーグに出場する高校生にエールをお願いします。 髙田:まずは思いっきり楽しんで試合をしてほしいです。トップリーグは選ばれしチームしか戦えない大会ですし、いろんなカテゴリーから注目されたり見られたりする舞台で自分をアピールできる力は、自分の人生が豊かになっていく1つの大きな要素になると思います。自分の実力をしっかり発揮してほしいと思いますし、学生生活の3年間の中でしか味わえない経験だと思うので、日々準備しながら大会を楽しんでほしいと思います。 河村:リーグ戦の大きな特徴の一つは、毎回自分たちの戦う相手が分かっていて、自分たちが準備できるかということ。リーグ戦でまずチャレンジしてほしいことは、毎週毎週試合が行われる中で、先週よりも良いチームになれるためにどう練習をし、対戦相手に対してどう準備していくかを考えていくことはすごく面白くて大切なことです。もちろん勝ち負けは大事ですが、それ以上に個人プレーやチームプレーを試してみることにフォーカスし、成長を第一に考えてプレーする。そうすればその後の大会や自分の成長にも繋がると思うので、ぜひチャレンジ精神を持って試合に取り組んでほしいです。
バスケット・カウント編集部