デモ隊に“日本人死ね”と発言? 川口在住20年のクルド人「僕たちは国を持たず、日本に住ませてもらってる。その言葉は口にしたくもない」 人口・働き手が減る日本は外国人と共生できる?
埼玉県川口市を中心に問題となっている地元住民とクルド系住民との軋轢。「クルド人が治安を乱している」という指摘が出る中、ある動画がSNSで拡散された。隣接する蕨市で行われた外国人排斥を訴えるデモに対し、クルド系とみられる人々が抗議の声をあげているが、その中で「日本人死ね」と言っているように聞こえると指摘されたのだ。 【映像】クルド系とトルコ系の住民による小競り合いの様子(去年7月) 一般社団法人日本クルド文化協会は「死ね」とは言っていないと発信。「彼が言っているのは“病院へ行け。レイシストは精神科へ行け”です。“日本人死ね”ではありません。私たちがそんなことを言うはずはありません」(一般社団法人日本クルド文化協会のXから)。 騒動はこれだけではない。去年7月には、殺人未遂事件をきっかけに、関係者のクルド系とトルコ系の住民など約100人が搬送先の病院前に押し寄せ小競り合いが勃発。逮捕者が出るなど地元住民の不安が高まっていた。
市議会でも一部外国人への取り締まり強化を求める意見書が出る動きもある中、こうした軋轢はどのように解決するべきなのだろうか。『ABEMAPrime』で議論した。
■“日本人死ね”疑惑に川口在住クルド人「その言葉を口にしたくもない」
クルド人(クルド民族)は、トルコ・イラン・シリアなどに2500~3000万人が暮らすとされ、「国を持たない最大の民族」とも言われる。日本では正確な統計はないが、約2000人が居住するみられ、多くが埼玉県の川口市と蕨市に暮らす 2004年に来日したトルコ出身クルド人のユージェル・マヒルジャン氏は、「僕たちの親世代が日本に来た。クルド人は家族とともに暮らし、離れて住むという考えがあまりない。家族や友人がいたり、言葉がわかるので頼れる。クルド、トルコ、ウズベキスタンなど言葉が似ているので、みんなが集まってくる」と話す。 デモ現場での「日本人死ね」疑惑については、「その言葉を口にしたくもない。今回、クルド側を守りたい日本の方が、デモの参加者に対して“日本から出ていけ”“差別するな”と言っているのを聞いた。また、1人のクルド人が“国に帰れ。変な外人”と言われた時に、“病院に行きなさい、精神科に行きなさい”と参加者に言い返した。相手の表現が良くないから、病院行けば治るんじゃないか?という意味合いだ。僕らは国を持たず、この平和な国に住ませていただきたい、と頭を下げてお願いする立場。そこで“日本人死ね”なんて言えない」と説明した。