デモ隊に“日本人死ね”と発言? 川口在住20年のクルド人「僕たちは国を持たず、日本に住ませてもらってる。その言葉は口にしたくもない」 人口・働き手が減る日本は外国人と共生できる?
一方、一部外国人の取り締まり強化について賛成の立場を取る川口市議会の荻野梓議員は「あそこに参加していた川口市民は何人ぐらいいるのか?と思う。普通に暮らしている方々は、駅前になんでこんな警察がいるんだろう、なんでこんなにうるさいんだろう、なぜ巻き込まれなきゃいけないんだろう、と恐怖心を抱いたと思う」と述べる。 住民からは「改造車での暴走、煽り運転」「荷物を積みすぎの大型トラックが通学中の子どもの近くを走る」など命の危険に対する声や、「集まって大声を出す」「刃物を持って公園を歩いている」といった声も上がっているという。 マヒルジャン氏は「トルコ地震の影響を受けて、日本に来た人はこの1年で1500人ほど増えた。日本にいるのは2000人と言われているが、あくまで役所に住民登録をしている人。難民で来た人は登録されていないし、実際には4000人以上だと思う」とした上で、「問題が起きるのは決していいことだと思っていない。クルドのみんなに日本のルール、マナーを学んでほしい。一方で、日本は人口が減っていく中で、外国人をどう受け入れるかを考えていくべきかなと思う。多くの議員さんも今回の問題に頭を悩ませているが、クルド人に接して、ハグや握手をして、どう共に生きていくか考えるべきだと思う」と述べた。
■EXIT兼近「日本に来て“知らなかった”で済ませるのはよくない」
取り締まり強化について、荻野氏は「外国籍の方は犯罪をしない人がほとんどだが、一部がピンポイントで目立っている。警察に見過ごされているということはないが、言語の問題で意思疎通や取り調べが難しいという課題はある。その壁を越えて、日本人と同じように取り締まって欲しい」と述べる。 これにマヒルジャン氏は「警察は外国人と日本人で分けず、あくまで“犯罪をした”ということで取り締まる。外国人だから特別にというのはおかしい。夜中に暴走族が走っているのが嫌なのは僕たちも同じ」と反論。
アメリカ出身のパックンは「職務質問をされた経験があるのは、僕とマヒルジャンさんぐらいだろう。外国人っぽい格好・見た目だけで声をかけられ、“日本人”と言えばスルー、“日本在住の外国人です”と言ったら職務質問が始まる。これが取り締まりの玄関口で、外国人に対する現状は厳しい」との見方を示す。 お笑いコンビ・EXITの兼近大樹は、「日本に来て、文化や習慣がわからない中で、善悪の判断ができずに逮捕されてしまった人はいると思う。ただ、周りの住民は怖い思いをするので、“知らなかった”で済ませるのはよくない。日本のルールを教える環境がないと同じ問題は続くし、一部の人がやったことなのに“クルド人のせいだ”と全体が被害を受ける。そこを整えて初めて受け入れられる日本になるし、それができなければ受け入れてはダメだと思う」との考えを述べた。