トヨタの豊田章男会長の報酬は16億2200万円 前年より6億円増
トヨタ自動車の豊田章男会長が2023年度に受け取った役員報酬は、前年度の1.6倍となる16億2200万円だった。トヨタの役員で歴代最高額だった。トヨタが25日に公開した有価証券報告書でわかった。 【写真】トヨタ自動車の豊田章男会長(右)と佐藤恒治社長=2023年10月25日、東京都江東区、稲垣千駿撮影 職責を反映した「固定報酬」が前年度より2500万円多い2億8900万円、賞与と株式報酬からなる「業績連動報酬」が5億9800万円多い13億3300万円だった。 トヨタは昨年4月に豊田氏が会長になり、後任に佐藤恒治社長が就いた。東崇徳総務・人事本部長は豊田氏の報酬額について「グループの責任者で、『モリゾウ』(レース出場時のドライバー名)など、対外的な顔という価値も含め、議論して決めた」と述べた。 豊田氏の次に多かったのは佐藤氏で6億2300万円。同じく新体制の発足とともに副社長に就いた中嶋裕樹氏と宮崎洋一氏ら計7人が1億円を超えた。グループで相次いだ不正を踏まえて評価し、豊田氏と佐藤氏は「個人査定」でも減額したという。 トヨタによると、23年度から株式報酬の割合を増やし、報酬水準も欧州の時価総額上位の企業を参考にするなどして見直した。海外を含めた人材獲得につなげるとともに、グループ各社がトヨタの報酬水準を超えないようにしているとして、全体的な底上げを図る狙いがあるという。 トヨタの24年3月期決算(国際会計基準)は最終的なもうけを示す純利益が4.9兆円で、日本の製造業で初めて4兆円を超えた。半導体不足が解消して各国で販売を伸ばし、円安も追い風になって好業績だった。(稲垣千駿)
朝日新聞社