香港上海銀行がサムライ債600億円、海外勢の円債続く-需要旺盛
(ブルームバーグ): HSBCホールディングス傘下の香港上海銀行が20日、600億円のサムライ債を起債した。同銀として5年ぶりのサムライ債となり、 足元で海外勢の円建て債が増加傾向にあることを改めて印象づけた。
起債したのは3年債で、TONA(無担保コール翌日物金利)ミッドスワップに対するスプレッド(上乗せ金利)は35ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、利率は0.808%に決まった。当初5年債も検討したが起債は見送った。
海外発行体の円債は増加傾向にある。ブルームバーグのデータによると、2024年の起債総額は現時点で約1兆9000億円と、前年同期(約1兆3600億円)を上回る。ことしは中国の借り手による発行も記録的な水準に迫るなど、世界的な円債ブームとなっている。
主幹事によると、今回債には発行額の600億円を大幅に上回る需要があった。フランスの政治不安などから金利のボラティリティーが高まっていたこともあり、利率に0.8%の下限を付けたことなどが奏功したとしている。スプレッドは、ムーディーズによる格付けが同じ「Aa3」の仏銀クレディ・アグリコルが5月に起債した3年1カ月債(29bp)を上回った。
主幹事は大和証券、HSBC証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券、野村証券、SMBC日興証券が務めた。三菱モルガンは法令違反発覚後、国内社債の引き受け主幹事からの除外が相次ぐ中での起用だった。
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Takahiko Hyuga