星稜、日本航空石川がセンバツ出場 /石川
<センバツ2020> 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3月19日に開幕する第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)の選考委員会が24日、大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールであり、県内からは星稜が3年連続14回目、日本航空石川が2年ぶり2回目のセンバツ出場を決めた。県勢2校が選ばれるのは両校が出場した2018年以来2年ぶり。吉報が届くと、選手たちは歓喜の声を上げて、夢舞台を前に決意を新たにした。組み合わせ抽選会は3月13日に行われる。 ◇刻め、新たな歴史 星稜 14回目 星稜の校長室にある電話が鳴ったのは午後3時20分ごろ。鍋谷正二校長は「ありがたくお受けいたします」と出場を快諾して受話器を置くと、ほっとした表情を浮かべた。 屋内練習場で緊張した面持ちで朗報を待っていた選手らに鍋谷校長が出場決定を伝え、「県、北信越の代表にふさわしいチームになるよう、調整をしっかりして十分に力を発揮してほしい」と激励すると、選手たちは表情を引き締めた。 昨夏の甲子園でも登板するなど経験豊富な荻原吟哉投手(2年)は「投げる試合は全て完封したい。エースとしての重圧も感じると思うが、はね返すつもりでやっていきたい」と意気込む。「ほっとしてわくわくしている。打率5割を目指す」と話したのは今井秀輔選手(同)。朝から周囲に「今日決まるな」と言われ、1限目から緊張していたという。昨秋の公式戦で多くの打点をたたき出した中田達也選手(1年)は「甲子園の舞台はプレッシャーがあると思うが、わくわくに変えて本塁打を3本打ちたい」と笑顔を見せた。 選手らは先輩たちが果たせなかった「全国制覇」に挑む。東海林航介さん(3年)は「新たな歴史を作ってほしい」とエールを送った。【井手千夏】 ◇沸かせよ、夢舞台 航空石川 2回目 日本航空石川の校長室では、午後3時20分ごろに電話が鳴った。小林学校長は「お受けいたします。ありがとうございます」と応じて受話器を置き、「決まりました」とほっとした笑みを見せた。 室内練習場で待機していた部員ら約70人を前に、小林校長は「センバツ出場校として選ばれました。諸君、おめでとう」と報告。部員らは「ありがとうございます」と声をそろえて応じた。井口太陽主将(2年)は表情を引き締め、「今のままでは通用せんと思う。残り短い期間、センバツで優勝できるように頑張っていこう」と呼びかけると、部員らは「行くぞ」「おう」と力強い声を響かせた。選手らは校内にある練習用の飛行機前に集合し、カメラに向かってガッツポーズを繰り返すなど、センバツ切符をつかんだ喜びをかみしめた。 チームは8強に進出した2年前の成績を超えることを目標に掲げる。昨秋の県大会、北信越大会と続けて決勝で敗れた星稜への雪辱を期する選手も多い。秋の大会で全9試合に登板するなどチームの柱になりつつある田中颯希(さつき)投手(同)は「センバツの決勝でも星稜と対戦して、リベンジしたい」と闘志を燃やしていた。【日向梓】