ファイナンスとは何か? その3 ファイナンスの種類 パブリック・ファイナンスとソーシャル・ファイナンス
その3では、パブリック・ファイナンスとソーシャル・ファイナンスについて解説をしたいと思います。
パブリック・ファイナンス(Public Finance)とソーシャル・ファイナンス(Social Finance)
■パブリック・ファイナンス 主体: 政府またはその関連組織です。 目的: パブリック・ファイナンスの目標は、政府が市場の失敗を防ぎ、リソースの適切な配分、所得の公平な分配、経済の安定化を実現することです。政府は公共サービスの提供、インフラの整備、福祉プログラムのサポートなど、広範な社会的目標を達成するために資金を提供します。 市場の失敗を防ぐとは、市場経済において市場メカニズムが十分に効果的でない場合、公共の利益を守り、経済の安定性を維持するために政府が市場経済に介入することを指します。 ツール(目的達成のための手段): パブリック・ファイナンスの手段には課税、融資、補助金、援助、公債の発行などがあります。パブリック・ファイナンスの主な財源は税金であり、政府は市民や企業から税金を徴収します。必要に応じて民間部門に融資をしたり、補助金を出したり、公債を発行したりします。 ■ソーシャル・ファイナンス 主体: ソーシャル・ファイナンスの主体は、非営利団体、社会的な企業、社会的な起業家、インパクト・インベスター、および社会的な投資ファンド、個人投資家などのプライベートセクターの機関と個人です。ソーシャル・ファイナンスは、社会的な目標を達成するために財政的な支援を提供し、社会的な利益を最大化するためにこれらの主体が協力して資金を調達します。 主なソーシャル・ファイナンスの主体には以下のものが含まれます: 1.非営利団体:慈善団体や非営利団体は、社会的な使命を達成するために資金を調達し、社会的なプロジェクトやプログラムを実施します。 2.社会的な企業:企業は利益を追求するだけでなく、社会的な目標も達成しようとする社会的な企業が増えています。これらの企業は社会的な問題の解決や社会的な影響の最大化を重視します。 3.インパクト・インベスター(Impact Investor): インパクト・インベスターは収益を追求するだけでなく、社会的な影響や環境へのポジティブな影響を追求する投資家を指します。彼らは、投資先の事業やプロジェクトが社会的な課題の解決や持続可能な開発に貢献することを重視します。 インパクト・インベスターは、社会的なリターンや環境への影響を評価し、金融リターンと両立させることを目指します。彼らの投資は、社会的な変革や持続可能な開発の推進に寄与することが期待されています。 4.社会的な投資ファンド: 社会的な投資ファンドは、社会的なプロジェクトや企業に資金を提供し、社会的な目標を達成するために専門的なファイナンスソリューションを提供します。 目的: ソーシャル・ファイナンスとは、営利目的だけでなく、社会的な使命を持つ主体によって推進され、社会的な課題の解決や社会的な影響の最大化を実現しようとする資金調達と投資のアプローチということができます。 ソーシャル・ファイナンスは、資金調達と資金の配分において社会的な影響を最大化することを主要な目標としています。これは、社会的な問題の解決、慈善活動、社会的な起業家精神の促進などを含みます。 ツール(目的達成のための手段): ソーシャル・ファイナンスは、慈善団体への寄付、社会的な企業への投資、マイクロファイナンスなどの手段を使用して社会的な目標を達成しようとします。 資金調達方法は、主にプライベートセクターからの寄付や投資を利用します。社会的な投資ファンド、社会的な企業、慈善団体などが資金を受け入れ、それを社会的なプロジェクトや慈善活動に割り当てます。