<速報>中日のドラ1小笠原が5回1安打1失点の圧巻デビュー!
中日の小笠原慎之介(18)が31日、ヤフオクドームで行われた交流戦開幕のソフトバンク戦にプロ初登板、初先発。5回を投げて7四球と荒れたが、重いストレートの球威と、チェンジアップのコンビネーションが冴えて、打たれたヒットは今宮に打たれたタイムリーの1本だけ。4つの三振を奪いそのポテンシャルを示し、勝利投手の権利を持ったままマウンドを降りた。4番手の福谷が、8回二死から6連打を浴びて、2-5と逆転を許して、中日では29年ぶりとなる高卒ルーキーの初先発初勝利の記録は消えてしまった。
昨夏の甲子園優勝投手が逞しくなって、初めてのプロのマウンドに上がる。 しかも、相手は、最強ソフトバンク打線。「打たれて元々。怖がらず力を出せ」。谷繁監督に大抜擢を受けた小笠原は、圧巻の立ち上がりを見せた。先頭の牧原を最速146キロのストレートで威圧してカウントを整えると、最後はチェンジアップで空を切らせた。制球を重んじてセットポジションからのピッチングだが、迫力満点。続く、今宮はストレートを詰まらせて三塁フライ。 「抑えたい」と対戦を心待ちにしていたトリプルスリー、柳田に対しても追い込んでおいて最後は、チェンジアップ。昨年の交流戦MVPのバットは大きく離れて空を切った。 二回は、4番の内川に145キロの見せ球のストレート。高めの空振りを誘うボールに球界屈指の好打者も三振に倒れ、一死から長谷川を歩かせたが、松田を迎えて、キャッチャーのサインに首を振って、チェンジアップを選択してタイミングを外してセンターフライ。中村もファーストゴロに打ち取りリズムを崩さない。 ルーキー離れしていると言ったほうがいいだろうか。 沖縄キャンプでは、「6割の力」で146キロをマークした。小笠原の初ブルペンを見た中日の元名捕手、木俣達彦氏が、「高卒でも、すぐに使える。左で、これだけのピッチャーは今中慎二以来だろう。スピードがありボールも重たい。球質は、小松辰雄に似ている」と、中日の歴代エースの名前を挙げて大絶賛していた。左肘にネズミと呼ばれる遊離軟骨があるため、無理せず開幕は2軍スタートとなり、ファームでは6試合26回3分の1を投げて0勝2敗、防御率5.47の数字。ただ三振は22個を奪っており、谷繁監督は交流戦の開幕戦に、そのポテンシャルを買って大抜擢した。 三回には先頭の吉村を四球で歩かせて、バントで二塁へ送られ、一死はとったが、今宮には少し浮いたチェンジアップをうまくセンターへ運ばれ同点のタイムリーを許してしまった。さらに柳田にも四球。ピンチを広げたが、内川はショートゴロに抑えこんだ。