高級腕時計の人気を利用した“第二のトケマッチ詐欺”の可能性、腕時計投資家が警鐘
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
詐欺事件だったことが発覚した「トケマッチ」
腕時計投資家の斉藤由貴生です。 今年1月に、腕時計レンタルサービスの「トケマッチ」が突如サービスを停止。「トケマッチ」は、ユーザーから腕時計を集め、それを第三者に貸し出すというサービスを謳っていたのですが、実際には貸し出した形跡がなく、ユーザーから集めた腕時計を売りさばいてしまいました。 そして、元代表はドバイへと逃亡。これは、シェアサービスでもなんでもなく、単なる詐欺事件だったわけです。 さて、今回私はトケマッチを取り上げるわけですが、なぜかというと「トケマッチの事件ってどうなの? 裏事情知ってるの?」などと聞かれたからです。 私は、事件が発覚する前から「トケマッチ」を勧めたこともなく、メディアで取り上げたこともなければ、全く興味すらありませんでした。また、トケマッチ側からも、コンタクトは一切なく、まったくもって関係がないのです。 そうであるにも関わらず、「トケマッチの裏事情教えて?」などと言われてしまうわけで、私としては「詐欺師による事件」ということをきちんと知らせたいと思い、今回取り上げた次第であります。
筆者が提唱する“腕時計投資”の定義とは
トケマッチの事件は、各メディアからの情報によると、「ユーザーから高級腕時計を集め、それを勝手に売却した」とのこと。また、本来、第三者に貸し出すためにユーザーから腕時計を集めたわけですが、それを貸し出した形跡はなく、単に横領する目的で集めた模様。一言で言えば、『詐欺師による事件』であるわけですが、題材が高級腕時計だったことから、腕時計投資家を自称する私のところに質問が来たのでしょう。 しかしながら、私が提唱する腕時計投資とは、「買って⇒使って⇒お得に楽しむ」ということ。日本人の生涯給与はざっくり2億円程度といわれていますが、高級腕時計を何本も買うと、生涯給与の10%といった額に相当してしまいます。しかし、「売る」ということを考慮すると、消費額をおさえることができるわけで、相場が上昇した場合には、「プラス」にもなってしまう。そうすると、生涯給与に影響を与えることがなく、高級腕時計を楽しめるわけで、「金持ちでなくても、誰でも高級腕時計を楽しめる」というのが腕時計投資の醍醐味であるわけです。 それに対して、トケマッチは「高級腕時計を誰かに貸して、レンタル料を儲けよう」という内容。私からしたら、自分のクルマを使ってレンタカー屋を開業するようなもので、全く興味がありません。 それどころか、自分の所有物を他人に貸し出すというのは、モノの程度が悪くなる可能性を秘めているわけで、私はクルマも腕時計も他人に貸すのは絶対に嫌です。 腕時計投資家を名乗っていると、「モノを大切にしなさそう」などと勝手に思う人がいるようですが、投資的観点で考えれば考えるほど、買ったモノは大切にしようと努力します。