【独自解説】「“外部の弁護士”に依頼した“内部調査”」「劇団側の信用性・信頼性は失われてしまった」宝塚歌劇団の調査結果に専門家指摘「再度第三者委員会での調査必要」
劇団関係者証言「コンプライアンス研修は“コロナ禍”以降全くやっていない」
上級生からのパワハラ発言について劇団側は、「『ウソつき野郎』『やる気がない』といった発言の有無については、全て伝聞情報であり確認されていない。ただ、ウソをついていないか何度も聞いていたといった状況は確認されており、大きな心理的負荷になったものと十分に考えられる」としています。対して遺族側は、「上級生が下級生を叱責するという劇団の慣行を無批判的に受け入れパワハラと認定せず、業務上の指導の範囲内と評価している。縦の関係を過度に重視する風潮をそのまま容認し、一時代前の価値観に基づく思考と言わざるを得ない」と反論しています。 Q.パワハラをする側とされる側の認識の違いというものはあるのでしょうか? (西山准教授) 「パワハラやいじめというものは、やっている側がパワハラやいじめをしていると思うかというとそうではなくて、パワハラの場合は『できていない後輩を指導してあげている』という様な解釈をしています。そこに認識のギャップが生まれます。そこで受けている側とのギャップを埋めていく発想が必要ですが、劇団側にそういった発想がないと思います」
ミヤネ屋の取材に対して、劇団関係者は、「パワハラ体質は、内部にいる身からしても変わらないと思う。劇団スタッフにおいてのコンプライアンス(法令順守)研修は“コロナ禍”以降全くやっていない。人に言ってはいけないこと、やってはいけないことを伝えないと劇団においてハラスメントの根絶には至らない」と話しています。
宝塚歌劇団の木場健之理事長は、「劇団独特の閉鎖的な上下関係を見逃していたのでは?」という問いに対して「宝塚歌劇は、109年にわたりずっと出演者が代々上級生から下級生に芸の継承・伝統の継承というのを行ってきた伝統がある。生徒同士の指導・伝承については、出演者でないとわからない部分、生徒として必要な部分もあり、我々事務サイドとしては詳細な内容までは承知はしていなかった」と答えています。 Q.会社側は宝塚の伝統や密室性を過度に尊重しているのではないでしょうか? (亀井弁護士) 「上級生と下級生の文化の中で醸成された風土なのかもしれませんが、会社側は本来、『そういうことはしてはいけません』と管理をするべきです。しかし、この発言だと管理していないと感じます。なので、『管理していたのに起こったのなら悪質だが、管理していないので責任はそこまでしか認めない』という話だと思います」 Q.我々の管轄では無いという認識だったということですか? (亀井弁護士) 「そういうことだと思います。今の風潮からして、『やっぱり管理すべきだったから、管理責任を問われても仕方がない』ということで、例えば2割~3割くらい責任を認めるという“いびつ”な認め方をしています」 Q.もう一度第三者委員会での調査は必要だと思いますか? (亀井弁護士) 「この会見によって劇団側の信用性・信頼性は失われてしまったと思いますので、事実関係を確認するために第三者委員会は必須だと思います。この(内部の)調査委員会の報告を盾に終わらせてしまう態度は非常に悪いと思います」
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