【独自解説】「“外部の弁護士”に依頼した“内部調査”」「劇団側の信用性・信頼性は失われてしまった」宝塚歌劇団の調査結果に専門家指摘「再度第三者委員会での調査必要」
「ヘアアイロンによるやけど」は故意か、“日常的にあること”か…食い違う主張
今年2月、亡くなった女性が上級生から「前髪を巻いてあげる」と言われ、ヘアアイロンを額に当てられやけどを負ったという内容を、一部週刊誌が報じました。これについて、劇団は「報道の内容は事実無根であることを当事者全員から確認している」と公式HPに抗議文を掲載しました。
そのやけどについて、劇団診療所の看護師は「痕には残らない程度のやけどで、アイロンによるやけどは日常的にあることで、記録は残していない」としています。宙組プロデューサーは「一部週刊誌の報道後、女性と上級生に別々に聞き取り二人とも『故意ではない』と回答した」と証言しています。それに対して遺族側は、「ヘアアイロンを他人に操作されることはまれで、その特殊性を考慮していない。女性の母親は当時傷をみて『皮膚が赤くなって3cmもめくれあがっている状態だった』と証言したが採用されず、報告書の引用は一方に偏り失当(間違い)である」としています。
また、やけどの後に母親に送ったLINEには、「まえがみ・●●(上級生)にまかれて・やけどさされた・ちゃいろになってる・わたし・でこ・さいあく・くすりもらってぬってるけど・芝居の通しが痛かった」とあります。
遺族側は、「(宝塚歌劇団側から)証拠もあれば提出してくださいって言われて、LINEも見せ証言をしました。だけど、こういうところの問題については、一切それとは関係ないところで事実認定していて、その辺のところについて大変残念」だと語っています。 Q.女性本人のLINEも出てきていますが、どう考えますか? (西山准教授) 「ハラスメント行為というのは、言った・言わない、やった・やらない、と言ったギャップが必ず生じますので、こういった事実として確認できるものを積み上げてどう解釈するかということになるのですが、このLINEをどう解釈するかが置き去りにされていますし、なぜやけどが日常的に起きるのかという説明もされていません。起きていた事実をどう解釈できるのかというのをちゃんと検証していく必要があると思います」 Q.劇団側が幕引きを図っているように見えるのですが? (亀井弁護士) 「目撃者のいない状況ですので、疑われている人の言い分がそのまま通ってしまう可能性があります。もっと客観証拠を集めて事実認定していくことが必要です。ヘアアイロンの件も故意なら傷害ですので、本来捜査する対象です。故意でなく過失でも民法上の違法性が出てくるのにそのあたりには触れていません」
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