川を遡上する神の使者を奉納 全国でも珍しい福岡県嘉麻市の鮭神社
稚魚は4年ほどかけ、ベーリング海などを回遊して戻ってくるそうだ。しかし、大きな“試練”が待ち受けている。河口から嘉麻市まで約50キロの間に100以上の堰(せき)がある。魚道を設けてはいるが、高い堰はやはり難関。市の担当者は「本当はもっと上流のきれいなところで産卵したいのでしょうが……」と苦渋の表情を見せる。
毎年12月13日は献鮭祭
国土交通省遠賀川河川事務所(直方市)によると、2021年に3匹を捕獲したが、それ以降は「魚影を見た」といった情報は寄せられるものの、遡上の”証拠”ともいえる死骸は確認されていない。
鮭神社では毎年12月13日、遠賀川を遡上してきた鮭を奉納し、五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願う「献鮭祭(けんけいさい)」が行われる。
毎年11月前後に、戻ってきた姿を見られる可能性があるそうで、「なんとか祭りの日までに確認できたら」と大里さん。見つからない時は、鮭に見立てて色付けした大根を奉納するのが習わしとのことだ。
読売新聞