【旦過市場】「角打ち文化の象徴」戦前から続く立ち飲み店が仮設店舗でオープン 開店直後さっそく常連客が 再整備のため立ち退き…再出発 北九州市
FBS福岡放送
7日、北九州市小倉北区の旦過地区の一角に、立ち飲み店がオープンしました。戦前から続く元の店は、旦過市場の再整備で立ち退きを余儀なくされましたが、店主は旦過市場に再びにぎわいが戻る日に期待を寄せています。 北九州市小倉北区の旦過地区の一角にある仮設店舗でオープンしたのは、立ち飲みの店「赤壁酒店」です。 ■赤壁酒店・森野敏明さん 「雨で天気が悪いし、うちっぽいスタートかなと思います。今でも複雑といえば複雑なのですが、『頑張ってね』『応援してる』『いつから開けるの』と電話がずっと鳴っていて、頑張らないといけないという思いは強まりました。」
およそ3年半前、北九州市は建物の老朽化や川が氾濫する恐れがあるなどの理由から、旦過地区の再整備の事業に着手しました。現在の建物を解体し、4階建ての商業施設を建設する計画です。
しかし、おととし4月、旦過市場一帯では大規模な火災が発生、その4か月後にもすぐ近くで再び大規模な火災が発生しました。2度の火災であわせて87の店舗が焼けました。火災の影響もあり、再整備事業は計画からおよそ1年遅れで、建物の解体に向けた準備が進んでいます。
旦過市場の立ち飲みの店として、北九州の角打ち文化を象徴する場所の1つが「赤壁酒店」です。戦前から続くレトロな空間が人気を集めていました。 ■常連客 「いいですね、昭和チックで。ぜひともずっと残ってほしいですね。」 ■香港からの観光客 「この店の雰囲気が大好きです。このような歴史あるお店はなかなかありません。」 2度目の火災から1年、市からの立ち退きの要請を受け、店主の森野敏明さんは悩んでいました。 ■森野さん 「火災で一番強く感じたのが、日本中の方々から(寄付を受けて)旦過市場って愛されているんだなと。みんなそれだけしてくれている旦過市場を壊してしまって本当にいいんだろうか。」
資材価格の高騰などから、再整備の事業費は当初の計画と比べて13億円以上増え、およそ47億5000万円に膨れ上がりました。 市長に事業の見直しを直接相談したこともありました。 ■森野さん 「旦過市場を、市長が壊したんじゃなくて、生かしながらリフォームして『ニュー旦過』にしたとなったら、市長は後世に名を残しますよ。」 しかし、悩みに悩んだ末に、森野さんが出した結論は立ち退きでした。 ■森野さん 「どうしても旦過を建て替えるという話なので、反対してももうどうしようもないし、しょうがないなと、再整備のためです。」
【関連記事】
- 【旦過市場】再整備に向け建物の解体準備が始まる 大規模火災や新型コロナで1年遅れ アーケード沿い西側エリアは当面営業を継続 2025年度に複合商業施設が完成へ 北九州市
- 北九州市立大の新学部が旦過市場の再整備ビルに入居へ 正式発表 1階に市場 2027年4月に開設予定
- 【カメリポ】かつての少年たちが夢中「ミニ四駆レース」商店街に響くモーター音 250メートルを駆け抜ける 福岡
- 【単独】社長が語る「資さんうどん」のこれから すかいらーくHD入りの狙いは「資さんらしさを守りながらの店舗拡大」 1976年に戸畑区に1号店→72店舗→この冬に関東へ→海外も視野 北九州市
- 【衆院選】「裏金議員」一部を非公認へ 週末の福岡での動き 地元で取材に応じた「大物」たちの胸中は