「子どもにチャレンジ精神を」 都市部から地方への“保育園留学”に高まる関心 地域の人口減対策にも期待 #令和の親 #令和の子 #令和に働く
市内への移住・定住視野に
こうした「保育園留学」は、受け入れ先の地域にとっても、都市部と地方の関係人口の増加や、経済効果などが期待できる。利用者の中には「留学先」に移住した家族もいるという。 千葉県内で初めて取り組んだ君津市も、地域と関わる「関係人口」の創出や、市内への移住・定住につなげたいとの狙いがあった。 同市の人口は1995年の約9万3千人をピークに減少へと転じ、少子高齢化が課題となっている。市の担当者は「山間部では人口減少が課題となり、さまざまなコミュニティーもなくなってきている。君津市に縁を持ってもらったので、住んでもらいたい下心もあるが、まちづくりに関心を持ってもらい、地方の課題に興味を持ってもらえればありがたい」とし、市内への移住や定住を視野に、今後も受け入れていく予定だ。
行動力や自己肯定感にも影響
保育園での一時預かりや宿泊、ワークスペースの提供をパッケージ化した保育園留学プログラムの提供を全国で進めている「キッチハイク」(東京・台東区)によると、サービス開始2年で1650人以上が利用するなど、保育園留学への関心は高まりつつある。利用者の多くは「子どもに豊かな自然との触れ合い体験をさせてあげたい」「新しい経験や刺激を与えたい」との理由で留学を決めるほか、「普段と異なる環境で子育てしたい」「地方での暮らしを体験してみたい」との声も少なくないという。 保育園留学にどんな利点があるのだろうか。同社によると、子どもは幼少期に大自然に触れることでのびのびと育ち、新しい価値観にも出合える。こうした体験は、言語力や計算力、知能指数(IQ)といった数値化できる能力以外の「非認知能力」に良い影響をもたらすとされる。意欲や自制心、行動力、協調性、粘り強さ、自己肯定感など、どれも生きていく上で必要な力だ。担当者は「新しい環境、友だち、先生との触れ合いを通して世界が広がる体験が、多感な時期の子どもたちにとって良い影響を与えてくれるのではないか」と説明する。