<センバツ・夢へ続け!>仙台育英・支える人たち チーム強くするために 仲間に夢託したGM /宮城
部員62人をまとめ、主将とともにチームを引っ張るのが守谷帆久人(もりやほくと)グラウンドマネジャー(GM、2年)だ。須江監督の指示を選手に伝えたり、練習メニューを組んだり、選手の個人成績や記録をまとめたりと、その仕事は多岐にわたる。 小学6年生だった2015年、夏の甲子園で準優勝した仙台育英の試合をテレビで観戦し、「甲子園で日本一を目指したい」と系列校の秀光中に入学。高校進学後は右翼手としてプレーした。主戦投手の伊藤(2年)は「紅白戦ではすごく打たれた」と振り返る。 同校は毎年、GMを1人選出する慣例がある。守谷さんがGMへの転身を考え始めたのは昨年7月。「チームを強くするために一番貢献できる道だと思ったけど……」。GMに専念すれば選手を諦めなければならない。甲子園でプレーする夢との間で葛藤し、チームメートにはなかなか言い出せなかった。 両親に相談すると「応援するよ」と背中を押してくれた。中学時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた伊藤にも思い切って打ち明けた。「いろいろサポートしていくから」という一言で決心がついた。 主将の島貫(2年)は「スタメンに入れる実力があり、選手として必要だった」と惜しむ。しかし「(GMが)いない時は練習に集中できなかったので、今は本当に助かっている」と感謝する。 須江監督は新チームの結成にあたり「この一年は勝負の年。今まで成し遂げられなかったことを成し遂げよう」と発破を掛けた。守谷さんは「自分や主将を中心に勝負していきたい」と、GMとして挑むセンバツに燃えている。【面川美栄】=随時掲載