【Z世代が語る「性のホンネ」】十人十色!人に話しづらい性の悩みをわたしはどうやって解決してきたか
性に関する健康を意味する「セクシャルウェルネス」。最近では、フェムテック、セルフプレジャーという単語とともにメディア上で取り上げられる機会が増えています。今回は、セクシャルウェルネス関連の活動に熱心なZ世代(1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代)4名にご参加いただき、情報感度の高い彼女たちに性に関するさまざまな情報や発信者ならではの悩みを語っていただきました! 【写真】Z世代が語る「性のホンネ」|十人十色!人に話しづらい性の悩みをわたしはどうやって解決してきたか ■情報収集はどのように?論文も活用? ---------みなさんは、セクシャルウェルネスに関する情報をどのように収集していますか? Kyokoさん:新しい情報に触れるきっかけはInstagramであることが多いです。今はいろんな方が発信されているので、まずはそこを入口にして気になったものは自分で調べてみる。できるだけ英語でも調べるようにしていますね。というのも、日本語と英語だと書かれている情報が全く違うことも多いんです。 ---------英語のウェブサイトを参照するのでしょうか。ちなみに、論文まで調べることはありますか? Kyokoさん:論文を参照することもあります。例えばルブリカントの場合、グリセリンが含まれているとバクテリアの餌になりやすく感染症の離化率が上がる。そういう情報は日本語と英語圏でギャップがあって、日本語のサイトだと見つけづらいんです。 わたし自身、今ではルブリカントについて知識が豊富になりましたが、実は株式会社BONHEUR(ボヌール)で働く前はローションとルブリカントの違いさえ認識していませんでした。そこで、会社のSNSを運営をする上ではこの部分をしっかり伝えることを意識しました。それでもなかなか伝わらないのが現状なので、これからもっと普及していきたいです。とぅるもちさんもルブリカントについて発信されてますよね。 ---------とぅるもちさんはどのように情報を調べられていますか? とぅるもちさん:わたしもkyokoさんと同じように、なるべく論文を見て海外の情報にも目を通すようにしてます。でも、情報発信をしていると何を言うかよりも誰が言うかにフォーカスされがちだと感じていて。影響力を持っている方が発信すると、受け取り手は情報の信憑性を疑わずに簡単に信用してしまう。だからこそ、わたしはきちんと収集したデータを根拠に発信することを意識しています。 ■十人十色!わたしはコレで性の悩みを解決 ---------何らかの商品やサービスで性に関する悩みを解決したことはありますか? akiさん:実は元々、これといった性の悩みは無くて。ただ25歳を過ぎ生理痛が酷くなってきたのでピルを服用するようになりました。これまで性教育に関わる中でピルの存在を伝えてきましたが、自分自身は使ったことがなくどこか他人事のように感じていた節があったんです。服用し始めてからは辛い部分も含めて理解できるようになりましたね。 Kyokoさん:わたしはやはりミレーナです!中学の頃から経血量がかなり多く、一時期は卵管を結ぶ手術を検討するほど悩んでいました。わたしの場合、ミレーナを挿入して半年間は不正出血がありましたが、吸水ショーツのみで対応できました。今では、外出先や旅行先で突然生理が始まったらどうしよう…という不安も無くなり、アクティブに行動できるようになりました。 とぅるもちさん:わたしは、性風俗関係者や性教育に携わる方々とお話させていただく機会が多いのですが、多様な考え方に触れるうちに自分自身の性に関する悩みも晴れていったように思います。また、セックストイや潤滑剤を試す上では、何が自分に合うのかを観察して相手に伝えることを意識しています。そうすることで、相手のテクニックを否定するのではなく2人で代替案を模索できるようになりました。 ---------なるほど。相手と素直なコミュニケーションを心がけることは大事なことかもしれませんね。 ■パーソナルな悩みに寄り添う ---------発信者として活動する中で、質問や相談を受けることも多いかと思います。その中でもセックスライフに関するお悩みにはどのようなものがありますか? とぅるもちさん:ラブライフカウンセラー®として活動する中で、幅広い内容の相談をいただきます。その中でもやはりセックスレスに関するものが一番多いですね。具体的なアドバイスとして、まずは二人で話し合える土台を作ること、そして相手に話し合いを促す場合はアサーティブなコミュニケーションができるように一緒に練習することを提案しています。本当はお二人でカウンセリングに来ていただければ双方のお話が聞けて理想的なのですが…実際は一方が話し合いやカウンセリングの必要性を感じておらず、一人で悩んだ結果相談にいらっしゃるケースが多いです。20代からの相談が多く、性別は男女半々。ストレートカップルだけでなく、ゲイカップルやレズビアンカップルにご相談いただくこともあります。 akiさん:わたしは同年代の女性に相談される割合が高いです。内容としては、避妊よりも妊活や大人の生理課題が多く、仕事を頑張りながらも将来妊娠を希望する時を見据えてどのような対策が必要なのかといった悩みがメインです。 馬場早希さん:20代~40代の幅広い年齢層の方にご相談いただきます。よく頂くのは、性交痛についてのお悩み。乾燥が原因の場合はローションを薦めますが、異変が見られる場合は産婦人科の通院を促すこともあります。より良い快楽が欲しいという方には、ローションの使用に加えて体温を上げることや心身共にリラックスすることを併せて提案します。【セクシャルウェルネス座談会】「顔出しに抵抗感」「オープンに話すべき?」発信者たちの葛藤につづく ■■座談会メンバー紹介 akiさん 学生時代から女性の性課題に関心を持ち、国内外で性教育を学び発信する。現在は対話を通して複雑な課題を解決し、未来の文化を共創することを目指している。 Instagram:@sexeducation_cplus Kyokoさん 世界から集めたエシカル・デザイナーズコンドーム、ルブリカントを「コンドームポップアップ」にて展示。 Instagram:@kyoko_ordinary とぅるもちさん 株式会社Unwind CEO/ラブライフカウンセラー®「楽しいセックスができる人を増やす」を掲げ、セクシャルウェルネスに関するサービスを展開。 Instagram:@trumochi Twitter:@trumochi_xx 馬場早希さん 1991年今治市伯方島出身。高専情報工学科を卒業後、モノづくりや商品企画に携わる。2020年からフェムテックの分野で株式会社BONHEURを創業し、セクシャルウェルネスブランドを立ち上げる。2023年に創業した会社を離れ、瀬戸内にUターンし、穏やかな土地から生まれたインスピレーションをもとに、今秋にウェルネスブランド「UMI+MIDORI」をリリース。ブランド構築、デザイン、撮影を担当。 Instagram:@babasaki_umimidori 取材・文/竹田歩未
竹田歩未