ブロッコリー出荷作業を省力化 不要部分自動カット装置 北海道・音更で実証
生産量全国一の道産ブロッコリーの出荷作業の省力化につながる装置が、年明けに市場投入される。開発したのは農業機械メーカー「日本協同企画」(茨城県筑西市)で、中心の茎から枝分かれした不要部分を自動で切り落とす。十勝管内音更町で10月に行った実証で、手作業の3分の1の時間で済むと現場でも確認でき、実用化のメドが立った。同社は畑作物の生産量が増える北海道を有望市場とみており、人手不足に悩む農協などへの営業に力を入れる。 【写真】自動調製機で不要な茎を切る直前、クッション性のある素材で花蕾を抑えつけられたブロッコリー(日本協同企画提供) 装置の売りは、花蕾(からい=つぼみの集合)を囲むように伸びる何本もの茎をカットする機能。鮮度を保ち、店頭での見栄えを良くする作業で、道内産地の「機械化してほしい」との要望を受け、4年がかりで開発した。 10月上旬から約2週間の実証には、生食用ブロッコリー生産が盛んな音更町の木野農協が協力。収穫最盛期には約50人を動員し、1株ずつ形を整えるため、1株10秒ほどかかっていた。包丁を長時間使うため腱鞘(けんしょう)炎になる作業員もいたという。 今回の装置は、クッション性のある円状の素材で上から押さえた花蕾の周囲を刃が回転し、不要な茎を適度に切断する。1株あたり3.2秒で、一連の工程が完了する。 必要な作業員は、ブロッコリーを装置に置いたり、切断後の茎を回収したりする数人で済む。ブロッコリーを痛めないため、商品名を「イタマーズ式ブロッコリー自動調製機」(仮称)として、来年1月から農協や農業法人などに売り出す方針だ。受注規模に応じて価格は変わる。